2月10日(水) アルテリオシネマ川崎
第1部 犯罪大通り
(休憩)
第2部 白い男
監督:マルセル・カルネ
脚本・台詞:ジャック・プレヴェール
配役:パントマイム師バチスト、女芸人(後伯爵の妻)アルレッティ、俳優フレデリック、
座長の娘(後バチストの妻)ナタリー 伯爵
翻訳・映画字幕:山田宏一
題名だけ知っていて、内容はまったく知らなかった映画。有名らしいから、見ておこうと。
たまたまアルテリオシネマ川崎で上映されていたので、鑑賞。190分と長く、休憩もあるので、特別上映価格シルバーでも1900円。コロナ非常事態で、収容客は半数の55名になっていたが、なんと、週日の昼間なのに、満員。人気があるんだ。
原題は、Les Enfants du Paradis 天国(劇場用語では天井桟敷)のこども達。 レ ザンファン デュ パラディス いいなあ、このフランス語の響き。ちょっとだけ、フランス語かじったから。
物語は、劇場役者とその関係者の恋愛物語で、バチストとアルレッティの恋愛が中心で、嫉妬も絡んで、殺しも登場する。
パンフレットの美輪明宏のコトバでは、人間の弱さや愚かさ、愛の真実を見事に表現する、らしい。その通りなんだけど。
初めに感じたこと。映画の中のフランス語の美しいこと。そこまでフランス語はわからないけど、発音の美しさはとびきりだ。Rの発音。フランス語文化。憧れる。
しかも、その日本語訳の素晴らしさ。原語台詞が、一つの詩のように語られる。その雰囲気を壊さない、訳。凄い。最後にちょこっとだけテロップで訳者。山田宏一だって。
脚本のプレヴェールは詩人だ。そうに違いない。詩と映像。舞台と現実。
映画中劇と、映画中の劇以外が、交錯して進行する。その一致とギャップが楽しい。最後も、劇場の幕が下がると、映画もお仕舞い。
第1部は、途中ちょこっとウトウトしたけど、第2部はお目々ぱっちり。
1945年の作品。第2次大戦中に、フランスのビシー政権下で、2年以上掛けて撮影された。反ナチはない。フランスがナチスドイツに占領されている風は、まったく感じられない。1840年代のパリの風景。
反ナチスドイツではないけど、100年くらい昔のパリの状況を再現し、愛と憎悪、嫉妬を描くことで、間接的に、ナチスドイツの支配に反逆したか。それとも、ナチス占領の協力映画か。
まあ、どっちでもよろしい。今の、遠く離れた文化の日本人が鑑賞しても、感激できる映画でした。
とにかく、フランス語が、台詞と訳が美しい。