2月9日(火) 横浜にぎわい座

開口一番 春風亭与いち 『湯屋番』

『短命』

ゲスト 三遊亭天どん 『不良クラブ』

(仲入)

『文七元結』

 

ハマの十番勝負。行ったり行かなかったり。第2次非常事態宣言発令前の販売なので、市松席ではない。

が、払い戻しも受ける体制。三三は、人気なので、欠席者は少ないものの、9割くらいか。

 

開口一番の前座、春風亭与いちの『湯屋番』は、前座なのに上手。しゃべりも慣れているし、表情、話別けも出来ている。後で聞くと、もうすぐ二つ目らしい。二つ目が近くなっていくると、前座でも、その日のトリに対して、前座話ではなくても、高座に掛けて良いか、と聞きに来る場合もあるらしい。トリは、今回は三三ですね、まあその人の腕を見て、良いよ、ということも多いらしい。まさしく勉強させてください、という訳。

とても、前座の出来ではなかったから、合格なのでしょう。間もなく二つ目に上がる。

 

『短命』、艶話。三三は、さらっと、イヤラシくなく、色っぽく話していました。最後に、自分の女房の顔を見て、「俺は長命だな」のオチだけど、普通だけど、良かった。何故かな。良かった。

 

ゲストの三遊亭天どん。あれは何者だ。持ち時間30分らしいのだけど、新作の『不良クラブ』が10分ほどなので、20分間もくだらない話。新作落語もだけど、その前の話も、楽語だと思うからいけないんだな。漫才。それも下手な漫才。しかも、舞台上でひっくり返ってしまう演技も。大げさな演技は、枝雀もしていたけど、話と関係あるでしょ。古典と連携していたでしょ。

ダメだなあ。三遊亭天どん。

経験25年、といっていたが、あれでも噺家としての真打ちなんでしょうね。誰でも、年功で真打ちにすれば良いってモンじゃあない。下手なんだから。落語じゃないのです。でも、客席にはそれなりに受けるから、良いんか、とも考える。

いやいや、ああいうモノを、喰わせてやっている協会は、ダメだと思う。

 

『文七元結』。何度目かではある。年末の恒例人情噺だけど、年末ではないけど、十番勝負の最後だからか。

たっぷり50分。淀みなく。すらっと。ささやくような声と、強い声と。噛むこともなく。定番の内容で、くすぐりは少ないのだけど、凄い。巧い。芸術だと思う。笑わせるところは笑わせ、泣かせるところは泣かせる。きちっと古典。

これだけの、トリ話をするのだから、1席目でさらっとしても当然。良く50分も話し続けられるよねえ。

こういう人を、名人というのです。噺家というのです。満場爆笑も良いけど、満場シーンも素晴らしいでしょ。緊張感がある噺も良いでしょ。

 

来月、十番勝負の番外編がある。勿論チケット買った。次回は3席だと。ネタ出しがないから、何やるんだろうか。今から楽しみ。