12月26日(土) 横浜能楽堂第2舞台

番組(実際の順)

仕舞Ⅰ 『鶴亀』 『竹生島』・・これがワタクシ 『吉野天人』 『羽衣』キリ 『清経』キリ

 『羽衣』キリ

素謡Ⅰ 『玄象』

仕舞Ⅱ 『放下僧』小謡 『経正』替之型クセ 『熊野』 『蝉丸』

素謡Ⅱ 『蝉丸』

仕舞Ⅲ 『高砂』 『田村』キリ 『砧ノ段』 『富士太鼓』 『砧』 『野守』

独吟 『松風』

素謡Ⅲ 『山姥』

仕舞Ⅳ 『紅葉狩』

番外仕舞 『鞍馬天狗』 梅若紀彰

 

なんとなんと、お稽古している「紀彩の会」を含む紀彰師が指導している、横浜、鎌倉の方々との、合同お稽古会。いわゆる、発表会、本格的に能舞台を使って、囃子方も入るというモノではなく、コロナもあって縮小し、会場も中野能楽学院会館ではなく、横浜能楽堂の、本舞台ではなくして、地下の第2舞台での、ミニ発表会。

見所と言っても、カーペット敷きの定員60名規模だが、コロナによって、30名上限に制限。

なので、招待した方だけの鑑賞で、内輪だけのお稽古会。

でも『紀彩の会』他のメンバーには、初めての「公開」された舞台の仕舞になった訳で、ワタクシなどは、極度の緊張。直前の22日(火)のお稽古は、謡は止めて仕舞だけに集中して、その前の8日(火)のお稽古から、頭の中は『竹生島』ばかり廻って、夢の中でも仕舞をイメージする状態にまで、緊張と集中。

 

我が紀彩の会は、最初の仕舞Ⅰの6曲。こういう会は、初心者なので、スターター。

謡仕舞のお稽古をキチンと始めてから、まだ1年と3ヶ月。コロナで空白が半年くらいあったから、1年くらいしかお稽古していない。各自の舞う曲を決めてからは3ヶ月。

でも、皆様、とても上手になられて、しかも、真剣で、立派で、楽しかったし、為にもなりました。

ワタクシの『竹生島』は、本来は、もっと若手が選ぶ曲らしいのですが、気楽に選んでしまって、さてどうなるかと紀彰師も気をもんだようですが、ご指導の甲斐あって、また、ゆっくりめに地謡していただいて、なんとか、詞章に合わせて舞うことが出来たので、個人的評価は、「成功」です。

画像で撮ってあるので、後で、ゆっくり見ましょう。デヘデヘとうまく行ったとなるか、あれまあ思ったよりダメじゃんとなるか。

 

仕舞Ⅱの3人は、横浜関係で、他の方々は、鎌倉梅栄会という、すでに、10年から20年以上お稽古されているベテランばかり。

 

鎌倉梅栄会の男性陣は、素謡を3曲。お年を召して、仕舞は止めたらしい。とても良いお声の方もいて、ウットリ。ああいう素謡に、プロの方も地謡に参加されて、謡本なしで謡っておられて、そこが素人と玄人の違いだけど、素人でも、3曲も合同お稽古が出来ていたことはあり得ず、どうやって、役謡などの掛け合いの練習が出来たのでしょうか。それとも、既にベテランで、玄人のように、わずかの申し合わせと役分担で、ああいう風に謡えちゃうんだろうか。

決して下手ではないと自分で思っていたのに、経験の差、能力の差を知らしめられる。

あんな風に、いつまで経ったらどのくらいお稽古したら出来るようになるか。

 

鎌倉梅栄会の女性陣は、仕舞。いやはや、これも素晴らしく、お年を召した女性なのに、しっかりとしていて、なんと言っても物語が見える仕舞で、成る程、こういう風に舞わなくちゃ行けないんだと、勉強になる。

ワタクシなど、型の順番ばかりを覚えていて、間違えないように、順序をたたき込んで、その曲の該当部分はかろうじて詞章の意味はつかめたモノの、全体を理解していないから、その部分の意味の理解も不十分で、結果、物語が見えない、ぶったぎりの仕舞になってしまう。

スピード、緩急、顔の上下、拍の踏み音の強弱、扇の上げ下げ、などなど、全体の中の部分的意味があるのでした。

 

こどもの仕舞もあった。どなたかのお孫さんかな。ちょっと失敗しちゃったけど、大丈夫。

 

独吟は、身体が丈夫ではなくして、それが精一杯の謡という感じだったけど、さすがの十分な経験者の実力。

 

最後に、予告なくして、梅若紀彰先生の仕舞『鞍馬天狗』。これもさすがで、こんな超内輪の会なのに、まったく手抜きしないどころか、真剣に舞って頂いて、感動的でした。くるっと廻って、両膝を突く型のところなど、ピタリと決まってゾクゾク。

付き祝言も。

着替え室にいた時に、丁度、お手伝い頂いた玄人の方々が打ち合わせで、紀彰先生が、「鞍馬天狗で良いかな」などと申されていて、あれまあ、玄人は、ホントに事前打ち合わせなくしても、キチンと出来るんだなと感心。

 

ちゃんとした発表会ではなかったかも知れないけど、ワタクシ達的には、十分緊張したお稽古会でした。

これは、やはり年に一度はやらねばなるまい。

一応仕舞のお稽古は一段落だけど、次回からどうしましょうか。楽しみ。