12月12日(土) 川崎能楽堂
狂言 『墨塗』 (和泉流 三宅狂言会)
シテ(大名)三宅右近 アド(太郎冠者)三宅右矩 小アド(女)三宅近成
(換気休憩)
能 『橋弁慶』 (観世流 梅若会)
シテ(武蔵坊弁慶)角当行雄 トモ(弁慶の従者)土田英貴 子方(牛若丸)角当美織
アイ(土地の者)三宅近成
笛:小野寺竜一 小鼓:田邊恭資 大鼓:大倉慶之助 地頭:遠藤喜久
先月事前講座を受講した能の本番。小さな能楽堂で満席で148席しかないのに、埋まらない。7~8割か。しかも、関係者が沢山いらしている。人気ないのかなあ。
狂言『墨塗』は何度も。嘘泣きの女が、太郎冠者の機転で水を墨に変えられて、顔を墨だらけにされてしまう。大名と太郎冠者が大笑いしていると、怒った女がまず太郎冠者、次いで大名も捕まえて、顔に墨を塗ってしまう。結局、女は強いのだ。というコント噺。
まあ、キチンと狂言をやっていて、声も大きくわかりやすく、動作も的確だけど、それだけ。それだけじゃまずいんか、とも思うけど、何度も観ている狂言曲だと、さて、今日のお家は、どういう風に工夫してくるのかな、どういう心理描写を表現するのかな、と期待してしまって、期待が大きすぎるのですね。これで及第点なのですよね。
能『橋弁慶』は、2019年11月に観世流、12月に金剛流で、いずれも国立能楽堂で鑑賞した。様々な演出という連続企画だった。
今回は、楽しみにしていた梅若会の。
謡本は持っていなかったが、詞章は金剛流の方が近いか。シテ弁慶が、登場してきて名ノリから始まる。あれっと言う違和感は、装束が、色紋付きに袴。あの弁慶のスタイルではない。
子方は、7歳くらいの女の子だけど、声が小さくてよく聞こえない。節付けが出来ていない。まあ、仕方ないけど。
後場の戦闘シーンでは、シテは弁慶スタイルに違いないと思っていたが、今度は黒紋付き袴、手には長刀。あれー!弁慶じゃないのか。いや、弁慶だ。何だか、舞囃子を観ているよう。子方牛若との戦いは、祖父と孫であろうが、子方孫は、一生懸命でしたが、本人に、あまりやる気が無いのでしょうね。
一部が終わって、時間つぶしにロビーにいたらば、子方美織ちゃんと、母親や、関係者が集まっていて、よく覚えたわね、偉い、等と言いながら、美織ちゃんに、折り紙を教えていた。
雰囲気としては、身内の発表会。
ちと、残念な能会でした。