10月17日(土) 横浜みなとみらいホール

指揮者:角田鋼亮

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より<シャコンヌ>

   独奏者:辻彩菜

バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番

   ソリスト:同上

バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番

   ソリスト:同上

(休憩)

ブラームス:交響曲第4番

 

前半はバロック、後半はブラームスというプログラム。本当はラザレフが組んで自分で指揮する予定だったが、来日できずに、角田鋼亮さんに交替。

角田鋼亮さんは、年齢紹介ないが、若手であるのは間違いない。国内で様々指揮をしてきた経歴はあるようだが、常任指揮者とかは無いようだ。外国の指揮者が多数来日できないようになって、復活した国内クラシック演奏会に指揮できず、国内の日本人指揮者で、まあ、代用することが多いのだ。日本フィル定期演奏会の指揮としては、やや荷が重かったか。でも、折角与えられたチャンスなので、活かすという心持ちはあっただろう。

 

ヴァイオリンの辻彩菜さんは、1997年生まれと紹介あり。23歳か。若い人には生年の紹介があるのだね。

青い、肩の出たロングワンピースドレス。髪型はポニーテールのように後ろで纏めただけのようだ。若さ溢れる衣装で、好印象。

それが、まだ若いのに、こういう大会場で、スポットライトを浴びて、第1曲は1人で登場して、演奏を開始する。どれだけ緊張したことだろうか。袖から舞台に出てくる時は、きっと心臓が止まるか飛び出るほど緊張しただろう。『シャコンヌ』を弾き始めると、良い音だ。澄んだ音、ミスタッチは無い。こういう難曲で、有名曲を、いきなり1人で大舞台に登場させて、演奏させるプログラムは、何なのよ。

ラザレフは、よっぽど辻さんを買っていたのか。それが、結局来日できなくなってしまったのに、舞台袖で誰が励ましてくれただろう。

眉を寄せながら、必死に、と見えたが、余裕がある演奏では無かったようだ。でも、綺麗な演奏。失礼ながら、顔つきが照ノ富士に似ていて、可愛らしい。

 

第2曲からのバッハのヴァイオリン協奏曲は、弦楽5部と、チェンバロも付いて出てきたから、心の余裕は出たのでしょう。表情が緩んで、気持ちよさそうに演奏していました。これも両方有名曲だから、演奏や練習は山ほどこなしているし、応援してくれる仲間はいるし、指揮者も付いてくるし、良かったね。

このときから、ヴィオラの首席が、客演首席になった。これまでの演奏会でどうなっていたか記憶に無いが、赤い椅子に座っていた奏者は観たことがないから、客演首席は初めてのことなのだろう。とりわけて印象は無い。

 

久しぶりに演奏会で聴くバロック。良い気持ちになる。

 

ブラームス交響曲4番は、大好きな曲。第1楽章が始まると、またしてもウルウル。いいなあ。

吹奏パートも、きちんと揃って演奏。大丈夫かいな。

第2楽章以下も、CDで聴くのとは大違いの、素晴らしい音響。やはり生演奏。

これが予定通りラザレフ指揮ならば、どうなっていただろうと考えてしまった。どこでドヤ顔するかしら、と。そういう比較で観てしまうと、角田さんの指揮は、はっきり言って物足りない。おそらく、スタートと終了だけ振れば、後は、楽団員のコンタクトだけで、演奏会ができてしまうだろう。そんな曲だし、そんな演奏でした。

角田さんには荷が重かったね。もう10年修行して貰って。

 

アンコールはまったくなし。ピタリと予定通り19時に終了。

今回から、市松模様では無くて、全席使用可ということで、ほとんど定期会員で埋まっているはずなのに、実際には4分の1くらいか。外出をまだ控えている会員が多いのか、今日の指揮者では止めようか、ということか。

リスクはあるけど、十分な感染対策が取られているのだから、演奏会には来た方が良いと思うけど。気が晴れるし、やはり、好きだからね。