10月2日(金) 横浜にぎわい座
開口一番 春風亭いっ休 『牛ほめ』
二つ目 柳家小んぶ 『時そば』
色物 ぴろき 『ウクレレ漫談』
浪曲 玉川大福 『松坂城の月』 曲師:明
(仲入)
真打 立川吉幸 『幇間腹』
色物 江戸家子猫 『動物ものまね』
真打 林家正雀 『らくだ』
寄席というモノを体験したかった。小屋の寄席ではなくて、演芸形式の寄席。前座や色物、講談や浪曲などがあって、最後に、待ってましたの真打ち登場というやつ。
にぎわい座では、毎月月初めの7日間だけ、昼席で、この寄席を興行している。
寄席と言えば、新宿末廣亭などが常打ち館で、寄席ばかりやっているので、そっちに行った方がよろしいのだろうけど、なんとなく、にぎわい座に親近感があるのと、今回は大トリ真打ちに、好きな林家正雀が出るので、まあ様子見も兼ねて出かける。
どのくらい込んでいるのか解らなかったが、当日券でも十分に大丈夫というのを信じて、13時20分頃に到着してチケットを購入、13時30分から開場。
初めは、20人いなかったかな。淋しい感じ。開口一番の開演頃には、40~50人かな。この人数は仲入をすぎても増えなかった。バラバラといった雰囲気。人が寄せ集まる寄席ではないよね。これはコロナの影響も無いではなかろうが、にぎわい寄席はこんなもんか。
開口一番の前座は、大トリの弟子がやるもんじゃないかと思っていたが、春風亭一之輔の弟子。ふーん。こういうモノなんだ。多分、協会とか、芸協とかが取り仕切っていて、そこで、出演者を決めているんだね。
寝た。
二つ目の小んぶは、大柄な落語家で、確かに、前座よりはうまいけど、なんてことはない『時そば』。ちょっと寝た。
テレビでしか観たことがないぴろき。ご存じのウクレレ漫談だけど、お客のあの人数と、爺婆ばかりでは、乗りが悪くて、大して笑いは起きない。その様子で、ぴろきもやる気をなくしたか、持ち時間をなんとかこなして、退場。寝はしなかったが。
でも、あれだけの有名人が、こんな有様の芸で良いの、と思う。もっと、客を笑わすことに全力投球せよと思う。漫談形式は確立されているからだけど、気迫とやる気がまったく感じられないよ。
浪曲も、チト楽しみだった。これはなかなか良かったよ。今度、国本はる乃を聴きに来る予定になっているので、つい比較してしまうが、まあ、浪曲の節回しや声はよござんした。曲師の明というの、自分で笑いながらやるのはどうよ、と思う。下手ではないけど。
仲入後は真打ちの立川吉幸『幇間腹』。若旦那がそんなに人気のない幇間を相手に腹に鍼を打つというお話し。うーん、これが真打ちか。
色物の動物物真似は、江戸家のお家芸。さすがに、物真似は上手。これは我々にはとてもできない。
で、大トリ真打ち林家正雀。袴で決めて、出てくるだけで、やはり貫禄というか、ぐっとくるモノはある。お客が少ないことなど眼中にないように、ほとんどマクラなしで、『らくだ』。きちんとじっくりと語る。くず屋が、初めは無理に飲まされた酒に酔っていって、逆に威し始める変容ぶりは、良かった。
こういう寄席は、どういうときに見に行こうと思ったら良いのだろうか。大トリの真打ちに寄るのか、それとも、途中でもごひいきがあれば、か。暇な時にぶらっと行くという感じか。笑いたいなと思う時に行くか。
もう一度行くか、といわれると、疑問だな。それこそ、大トリに滅多に聞けない噺家が出ている時か。
新宿末廣亭にでも、一度行ってみるか。