9月26日(土) 横浜みなとみらいホール

指揮者:小林研一郎

モーツァルト 『ピアノ協奏曲23番』

  ソリスト 實川風

  ソリストアンコール ??

(休憩)

ベートーヴェン 『交響曲3番 英雄』

  アンコール 「ダニーボーイ」

 

いよいよ、2020年秋シーズンの開始。本格的なコンサートは、1月以来。最後は佐渡裕でした。コロナ後は、8月に2部に分けて、各部1時間とおびえながらだった。今回も、市松模様の指定席が割り振られた。完売と言うことだったけど、半数なのに、更に空席が目立つ。権利は確保しつつも、怖くて参加できないお客が結構いるんだなあ、と。

9月19日からの緩和で、コンサートなどは5000人以下は入場制限にかからないから、全席販売できる。が、勿論今回はもっと前に販売していたから市松席。次回からは、満席にできるか。

 

楽団員の入場で、拍手が起きたのは初めてで、楽団員もビックリしたか、常はバラバラと座るのに、コンマスの指揮によって、みんな揃って、挨拶して着席。どちらも、観客も楽団員も、ちゃんとした演奏会の復活がうれしいのと、緊張と。

コバケンが登場。やや老いたかなあ、と。マスクを着用。

ソリストが男性だと、衣装に眼が行かないね。今までこのブログでも、女性ソリストの衣装や靴を評してきたのは、悪かったのかなあ、でもそれも楽しみの一つだよね、女性ソリストは大変だなあ。今回の實川さんは、若いイケメン。黒の燕尾服、白の蝶ネクタイ。まあ、普通の形。

コバケンの姿は、ピアノに隠れてよく見えない。モーツァルト『ピアノ協奏曲第21番』の、第1音がじっくりと出ると、はやくも、うるっと。モーツアルトでは、軽快な音楽に心躍る予定だったのに。初めから涙はマズイのでは。

それでも、若さ溢れる演奏で、軽快なモーツァルトで楽しめた。

 

ベートーヴェン『交響曲3番英雄』。これは泣くぞと思っていたら、これも初めから涙。パーン、パーンで、ぐっときてしまう。

コバケンの指揮は、最初はやや緊張からか、振りがいつもより小さい。でも、第1楽章の途中からは、客席の一番奥まで届けとばかりに、左手を大きく振りかざす。いいぞ。そうだ。オケも思い切り、音を出し切る。みんな、うれしそうで、一生懸命。

第2楽章の葬送曲は、静だが、いい音だなあ。これでもまた涙。

第3楽章と第4楽章は、そうだ、そのタイミングで続けるんだ。今度は、音を会場の上方に向ける。丁度見上げて天井方向を見ながら聞いていて、視線を戻すと、コバケンも上を見上げている。おお、ぴったし。これでもまた涙。そうだ、ここでは音を上に響かせるんだ。

フルートの真鍋さん、付け睫毛が。隣にいるオーボエ(かしら)の杉原由希子さん。いい音で演奏する。終了後、コバケンが真っ先に杉原さんに近寄って行って、拍手。そうだ、良かった。名前を記憶しました。フルートも良かった。クラリネットも良かった。勿論定番の弦も素晴らしい。

コバケンが挨拶で、「初めて英雄を演奏したみたいだった」と喋った。そんだけ、みんな、リキと気が入っていたと思う。

名演奏でした。ほとんど涙ばかりで、面倒くさいから途中では目を拭わず。どうせ、涙は止まらないのです。

 

昨日の能会のブログで、お能がないと夜日も開けない等と書いたけど、やはり、クラシックコンサートが良いねえ。一番とは言わないけど、順番はそう簡単には付けないけど、とにかく、良い。1時間泣きっぱなしの演奏会なんて、ないでしょう。

 

いつもは退場出口の近くに書かれていたアンコール曲紹介が、ない。密になるからなあ、仕方ないけど。あるつもりでいたからこれは少し残念。でも、こんなことで、感染者が出て、再びクラシックコンサートできなくなってしまう恐怖を考えれば、我慢できます、します。

なんとか、工夫して、協力して、不要不急のクラシックコンサートを継続していきましょうよ。

もう、何年シーズンチケットで通っているのかしら。

 

今シーズンから、横浜定期の開始時間が、18時から17時に繰り上がる。終わりが早くなるので、アフターコンサートでゆっくり食事できる。でも、思い出しながら、また涙が溢れてくる。頭の中では『英雄』がぐるぐると。