9月5日(土) 杜のホールはしもと

開口一番 林家八楽 『平林』

柳家さん喬 『抜け雀』

柳家喬太郎 『へっつい幽霊』

(仲入)

喬太郎 『ウルトラマンのつる』

さん喬 『妾馬』

 

 

杜のホールはしもとでは、コロナ休業以降初めての落語会らしい。まあどこでも一緒のコロナ感染対策。

今回の席は、2階のバルコニー席(BR席という。)の上手側。1階が売り切れていたからだけど、珍しいから購入。なかなかの眺めだし、遮蔽物はないから悪くない。但し、やはり声は聞きにくい。こっちが耳が遠くなっているのもあるだろうけど。

 

開口一番の林家八楽は、二楽の弟子だそう。二楽は紙切り芸人だけど、その弟子でも落語やるのだね。それとも一通りきちんと落語の修行もせよと言うことか。寝た。

 

さん喬は、小さんの弟子。人間国宝の弟子だというところからマクラ。喬太郎はその弟子だから、小さん人間国宝の孫弟子。人間国宝というのは、その芸が継承される、つまり保全されることがその要件らしいが、さん喬はともかく、喬太郎はまったく同じ落語と言っても別物。継承されないじゃん。継承は、小三治、三三か。

毎度おなじみの『抜け雀』、無難なとこで始めた。2階の客が文無しで泊まり続けるというのは、別の話もあるが、どっちかなと思ったら、『抜け雀』でした。そういえば久しぶりかも。おしゃべりも無難に。

 

引き続く喬太郎も、師匠に習って、無難に古典『へっつい幽霊』、これも無難に。さん喬とはホントの親子ではないのですよ、と。なんでも、地方に行くと、ホントの親子と間違えられることもあるのだと。「お父さん、もうお見えですよ」なんて。そんなこと、考えもしなかったけど、あり得るんだねえ。ホントの親子の会もありうるのですが、さて現在は誰々かな。

夏だから怪談話を、ということで、さては『牡丹灯籠』でも聞けるかと思ったが、大トリではないから、ここは無難な怪談話の『へっついの幽霊』で、笑いも取って。

 

仲入後がいよいよ本番。

古典は飽きたなあ、とつぶやいて、マクラは、橋本は微妙な位置だ、八王子や町田との違いを面白く語って、神奈川だから夜遅くまで飲めるでしょう、と。落語会が終わった後、うまく行った時は飲みたいし、うまく行かなかった時受けなかった時も飲みたいと。一之輔には負けるなあ、三三もうまくなったなあ、白酒もなあ、なんて嘆いていて、この3人は競い合っているんだ、と。三遊亭白鳥のことも、新作争いか。白鳥と白酒がよく聞き分けられなくて、みんな白鳥知ってるの、なんて突っ込まれた。白酒は知っているけど、白鳥は知りませんでした、済みません。

そこで、新作の『ウルトラのつる』、大爆笑。『つる』のつーるーを一部掛けてはいるが、ウルトラマンのお話しを、生き生きと。好きなんだねえ。初めて聞いたけど、もう少し若いお客には、ウルトラマンのことはついて行けないかも。

でも、ともかく大爆笑。師匠の前でこんなのやるんじゃなかったと、またまた大爆笑。

 

これを受けて、やりにくかろう、さん喬。さて何を掛けるかと思いきや、古典の『妾馬』。師匠、大爆笑の後だけど、しっかりと古典で締める。長屋に住む男が、妹がさる御大名の『代トリ』を産んで、呼ばれてお祝いに出かけるお話し。笑いと人情噺部分もしっかりと。落ちが笑いにならない噺だけど、コロナ見舞いも兼ねて、さすがの師匠。

 

高等遊民、このところ、落語も増えている。