9月3日(木) 国立能楽堂
解説 佐久間二郎(観世流シテ方)
狂言 『仏師』 (和泉流 野村万作家)
シテ(すっぱ)野村太一郎 アド(田舎者)竹山裕樹
(休憩)
能 『安達原』 (観世流 九皐会)
シテ(女・鬼女)中所宜夫 ワキ(阿闍梨祐慶)大日方寛 ワキツレ(山伏)野口琢弘 アイ(能力)内藤連
笛:八反田智子 小鼓:飯冨孔明 大鼓:柿原光博 太鼓:金春惣右衛門 地頭:観世喜正
ショーケースのラスト。この2曲のショーケースは、ホントはその前日の観世喜正がシテを演ずる『安達原』を見たかったのだが、申込日の8月15日にうっかりして、10時スタートなのに、12時まで忘れていたらば、もう既に売り切れで、あれまあ、やはり人気役者のは早く売れるんだねえ、と。で、やむなく3日の中所さんシテの会にしたのだけど、空席があったなあ。
解説は、ホントに飽きたけど、仕方がない。本来ならばオリパラ関連で、外国人が多数来日したはずなのだから。実際には、そんなに素人さんは来ていなくて、常連に近い見所が多いのだけど、予定通り進行する。能楽堂の中に屋根付きの能舞台があることに、驚かなくちゃいけない、説明に感心しなくちゃいけない。
狂言『仏師』はこの前見たよね。8月に狂言堂。その時は、席の関係で丁度田舎者と仏に変装したスッパが一直線で並んで、スッパが見えなかったが、今回は、中正面席なのでよく見えた。でも、あのポーズは決まっているんだろうな、何々が気にくわないというセリフとポーズと合っていなければならない、それともアドリブか。
もう何回も観たけど、スッパ仏のポーズまで覚えていない。
能『安達原』は2回目。2019年7月に鎌倉能舞台で、従って観世流で。他流では『黒塚』との名称らしいが、同じ曲。
ショーケースは、初心者に対してコンパクトに能楽を紹介すると言うことがコンセプトなので、大分ショーットカットされている。ワキとワキヅレが登場して名乗りを上げると、すぐに、「急ぎ候ほどに、はや、着きて候」となってしまって、道行きがない。その後の、前シテ女の述懐も省略。まあ、この辺は眠くもなるところだから良いのかもしれないけど、やや、物足りなく感じるのは、それだけ数を見てきているからか、お稽古をしてきたからか。
シテが作り物から出てきてからの、動作は見応えがあって、足の運びは美しい。ブレがない。
後シテの、般若の面をかぶった戦いのシーンは、なかなかのモノ。狭い鎌倉能舞台とは違うなあ。
笛方が女性の八反田智子さん。まったく女性とは感じさせない。変わらないね。
後半の激しい囃子方演奏を聴いていると、やはり、囃子方のお稽古もしたくなる。
高等遊民、ますます能楽にはまる。しかも、「通」とまでは行かないけど、知識が増えてきたのは実感する。ヨリ面白くなる。