8月15日(土) 横浜にぎわい座

開口一番 柳亭市遼 『道灌』

柳亭市若 『黄金の大黒』

『穴熊』(※)

『厩火事』

(仲入)

『船徳』

 

連日の致死的暑さの中、わざわざ出かける、にぎわい座は二日連続。今日も当日券なし完売と言うことだが、ちらほら空席が。暑くての断念か。

市松模様の座席は、だんだん慣れてきて、チケットが取れさえすれば、快適だあ。

入場時の、リモートの写真のような検温器械は、この暑さで正確に測れるはずがない。結局、腕で測定すると、顔の測定より2度近くも下がる。この暑さでは、このシステムは正確には作動しない。

 

開口一番は、どうやら見習いで、今年1月に入門したばかりで、すぐにコロナで師匠市馬へ通うこともできないまま、産まれて初めての高座だったらしい。緊張そのものの顔で入ってきて、第一声から声がうわずる。あれ、この人緊張しているよと思ったら、後で聞いたら前座でもなく、見習いで、初めての高座だと。途中咬むし、さっぱりだったけど、まあ初めてだからね、と鷹揚に見ましょう。

 

2番目の登場は、柳亭市若。彼も、今回が初めて二つ目の高座だとか。1月まで前座だったとか。下手でした。何の記憶にも残らない。眠かった。折角二つ目になったのに、コロナで高座ができなかったんでしょう。

 

柳亭市馬は、前に聞いた時も、弟子たちへの小言をマクラにする。確かに、お客様には申し訳ないんだけど、こっちも無駄な時間なんだけど、いつもああいうマクラなのかしら。もうちょっと励ましというか、お願いしますというか、そんなマクラにすれば若手も楽屋で聞いていてありがたいと思うんだけど。柳家小さん人間国宝の弟子で、厳しい師匠なんだろうか。落語協会の会長だし。後進の育成と芸の水準確保には気を遣っているのでしょう。

 

『穴熊』、聞いている時はやはりうまいなあ、前座とは違うなあ、と聞いていましたが、今これを書いている時には、どんな話しだっけ、と記憶が戻らない。聞いたことがある話しだったけど、心地よかったからか、暑さのせいでウトウトしたか、思い出せない。

まあ、そういう話しも有りかな、と。ホントに『穴熊』って演目か。

 

本来ここでお仲入になる予定で、お囃子もそれを奏でだしたが、市馬はそれを制して、もう一席やる、と。『穴熊』が気に入らなかったか、それとも、久しぶりの客がいる高座でおしゃべりしたくなったか。ともかく大歓迎。

『厩火事』。自分のことを大切にしない夫の愚痴に対して、仲人が、愛馬が火事で死んでも部下のことを心配した故事を伝えて、夫が大切にした瀬戸物を割ってしまう、さて、というお話し。

そうか、やりたかったのもそうだけど、弟子のことを口うるさく言ったことを反省して、お前たちのことを考えているんだよ、というメッセージか。

ともかく、心触ることなく聞けたし、さすが、協会会長で、得した気分にもなれて。

 

仲入ですでに時間を相当オーバー。16時に終わる訳ないから、何を出すかと、『船徳』でした。最初の若旦那ぶりの辺りは端折ったが、膝が痛くなると言う船こぎの辺りはきちんと。さすがですね。25分もオーバーして、楽しませて頂きました。

 

それにしても、円楽の苦情ばかりで申し訳ないけど、コロナ明けの口開けの円楽が、あまりに手抜きだったし、落語に対する気持ちがなかったというか、演じたい、喋りたいという気がなかったというか、腹立たしや、腹立たしや。円楽2回分チケット買ってあるけど、まだやる気が出ないならば、許さんぞ。

 

※後日注。私の誤読で、穴熊ではなくて、『穴泥』でした。泥棒が、入った家の残されたご馳走で酔っ払って、蔵の前の穴蔵に落ちてしまうお話し。小さんのユーチューブがありました。