8月14日(金) 横浜にぎわい座

開口一番 三遊亭しゅりけん 『一目上ガタ』

立川生志(落語立川流) 『青菜』

三遊亭兼好(五代目圓楽一門会) 『鈴ヶ森』

三遊亭遊雀(落語芸術協会) 『電話の遊び』

   お囃子:稲葉千秋

(仲入)

春風亭一之輔(落語協会) 『麻のれん』

林家木久蔵(落語協会) 『竹の水仙』

大喜利

 

なんでも、立川生志が言い出しっぺで、東京の四派の若手代表?が揃う落語会をやろうと、十年前に始めたらしい。だから十回目。最初からメンバーは替わらないらしい。

にぎわい座夏祭りとして、毎年、お盆の時期に、横浜にぎわい座主催でやっていたらしい。去年も気付かなかったか、それとも、その頃はむしろ特定の落語家の独演会ばかり聴いていたのか、あの頃は、立川志らくだけだったか。

今年は、コロナ明けということもあって、出てみようかなとチケットを取る。当日券なしの売り切れだったから、人気があったのだね。半分の席数しかないからではなくて、人気の会だそうです。

林家木久蔵の落語以外は、面白かった。

初めからのメンバーなのだけど、四派で5人はおかしいでしょ、と、ホントは、落語協会からは飛ぶ鳥落とす一之輔が出ることになって、木久蔵は大喜利メンバーだけだけど出たいか、と尋ねたら、良いと言うことで参加して、じゃあまあ落語もやらせるかということになって、四派5人の落語家の落語会と大喜利というスタイルになったらしい。

ホントかどうか解らないけど、マクラやら大喜利の時の世間話などを聞いていると、そうらしいが、ホントかしら、とは思うけど、確かに、木久蔵の落語は下手。

今年は「トリが木久蔵です。大喜利もあるので、つまらないからと言って帰らないで」とマクラで喋っていた。トリは順番らしい。5年に一度木久蔵がトリを取る、ということらしい。五年目十年目だから、トリの順の最後ね。

 

前座の三遊亭しゅりけんは、兼好の弟子だと。五代目圓楽一門会。まだまだ、だね。

 

立川生志は、談志の弟子だろうけど、あまり聴いたことはない。『青菜』は檀那と奥方との、青菜を巡る符帳を帰ってきて自宅で披露する話し。まあまあ、キチンとはできていたけど、それほどでもないな。

 

三遊亭兼好は、五代目圓楽一門会。絶対に、六代目円楽より面白いよね。六代目円楽は、落語芸術協会にも所属しているから、五代目圓楽一門会では、兼好が一番面白いのではないだろうか。

ネタの『鈴ヶ森』は聴いたことがなかったが、素人の追い剥ぎが、師匠の追い剥ぎに実地訓練を受けるというお話し。内容も面白いが、兼好の話芸も、動作も、顔つきも実に面白い。

 

三遊亭遊雀は、芸術協会。ネタの『電話の遊び』は、茶屋遊びが好きな父親大旦那が、子供の若旦那に茶屋遊びをしてはならないと言われ、番頭の発案で、電話越しに茶屋遊びをするお話し。電話越しに、粋な姐さんのお三味や唄声が聞こえて、良い気持ちになる。その粋さがでないと行けないが、十分出ていました。お囃子のかたの声が良い声で。お囃子がダメだと、粋な噺はできないよねえ。

 

仲入後、私的には待ってましたの春風亭一之輔。それまでの2人が面白かったから、どうかなと思ったが、爆笑までは行かなかったな。ネタの『麻のれん』は初めて。メクラのあんまが、檀那の家に泊めて貰うのに、大丈夫だというのに、麻ののれんと、麻の蚊帳の区別がつかなくて、失敗するお話し。一之輔には、もっと時間を上げないと、喋りにくかろう。ここまでも時間が押していて、トリもあるし、大喜利もやらなくちゃ行けないと言うことで、軽い短い噺にしたか。夏だから、蚊帳。

 

トリの木久蔵が『竹の水仙』。寝ました。ここまで面白いのが続いたのに、下手で面白くない。演じ分けができていない。ホントに真打ちか、二つ目じゃないのか、というレベル。ダメだねえ。本当にバカなのかも知れない。年数を経れば真打ちになれるという馬鹿馬鹿しい制度の失敗作。

 

大喜利は、面白かったが、こういう場面では木久蔵のまぬけ回答がウケる。一之輔は、きちんと考えた答え。素晴らしい。やっぱり、一之輔をトリにした方が良かったよね。立川生志は司会。兼好も遊雀も、普通にできていました。

とても楽しい、かつそれぞれの個性が見える大喜利でした。

 

この会は、来年もできたらば、行きましょうね。

林家木久蔵は、聴きたくない。立川生志は、そうね、独演会は行かないな。三遊亭兼好、三遊亭遊雀は、面白い。春風亭一之輔は別品。