8月9日(日) 横浜能楽堂
狂言組 大藏流 野村万作家
お話し 石田幸雄
『仏師』
シテ(すっぱ)月崎晴夫 アド(田舎者)飯田豪
(休憩)
『船渡聟』
シテ(船頭・舅)石田幸雄 アド(聟)石田淡朗 小アド(姑)岡聡史
復活狂言堂の2回目で、だいぶ慣れてきてはいる。スタッフも見所も。
お話しも、コロナには触れず、通常通りで曲の解説。検温や手指消毒、市松模様の座席以外は、日常に戻るのだけど、もはやこのスタイルは定番になるのだろう。
8月から11月の、4回分の席を購入している。
でも、今回も、市松席以外も空席があって、いわゆる満席ではない。コロナ前は、もっと見所が多かったのだけど、それこそ満席だったのだけど、市松席でも空席とは、コロナで、能楽ファンが去って行ってしまったのか、まだ不安を抱える見学者が多いのか。
数日前の毎日新聞夕刊に、今回の狂言堂を題材にして、狂言師石田幸雄さんのインタビュー記事が載っていた。
スタッフに聞いたところでは、横浜能楽堂が企画した記事だったとか。売れ行きが悪かったから宣伝か。それでも満席にならず。
『仏師』も何度も。田舎者がすっぱに騙されて、仏像を注文する話なのだが、仏像に化けるすっぱと、田舎者が、私の席から観て丁度一直線上に並んでいて、注文に応えようと色々と姿勢を変えるすっぱが、見えない。チラリだけで。まあ、珍しい席に当たったもんだと、却って感激。
でもあのすっぱは、どうやって最終的に代金を巻き上げようと思ったのだろうか。
似た曲に『六地蔵』があって、これはスッパ仲間が3人で、6体の地蔵を演ずるというモノで、脇座辺りと橋掛かりと3体ずつ場所を変えての移動が大変な大騒ぎ。こちらの『仏師』は、そこまで動かないし、出演者も少ない。
立ち位置は、厳密に決まっているんだろうな。
『船渡聟』も何度目か。酒好きの船頭が、乗客を威して京の酒をたっぷりと飲んでしまうのだが、実は客は聟であって、船頭が舅であって、髭を剃って隠れるが露見してしまって、面目ない、というお話し。でも最後は、舞を舞って、円満に。
前記のインタビューによると、この曲は、聟が最初で、姑、船頭・舅と演ずる順序が決まっているとか。そういえば、万作の船頭・舅は観たことがあるな。
今回は、聟が息子の石田淡朗、船頭・舅が父親の石田幸雄。ホントの親子で、やりにくくはないのかな。石田幸雄さんは1949年生まれだそうです。71歳か。
今回は、野村万作の血統は出演せず。番頭親子の出番でした。