8月2日(日) 横浜みなとみらいホール

指揮:西本智美

モーツァルト 『ピアノ協奏曲第21番』

  ソリスト:菊池洋子

チャイコフスキー 『弦楽セレナーデ』

 

日フィルの横浜的演奏会は、2月はもともと休演で、3月から中止になってしまったので、6ヶ月間、演奏会無しという非常事態でした。

楽団員も大変だったでしょうけど、定期会員も、6ヶ月間もクラシック演奏会がないという事態に、寂しい思いをしてきたし、この日の復活演奏会に期待する気持ちは強いモノがありました。

本来の7月のプログラムを大幅に変更して、2部制にして、各部定数半減で。曲目は同じ。休憩なしで各部一時間で終わらせる覚悟だが・・。

みなとみらいホール職員は、まだ感染対策をしての客入場は慣れていない。会場前の並びも間隔を取って、自動検温、チケット半券は各自が、プログラムも置いてるのをそれぞれが取る、ドリンクコーナーは、ソフトドリンクだけ。

17時から入場可と書いてあったのに、17時15分入場と現地の張り紙。ここで並んで待たせた方が密になるだろうと思うけど。

 

入場して、千秋楽の大相撲をタブレットで。なんとなんと、照ノ富士が御嶽海を破って、三つ巴にならず、優勝決定。この日、能『舎利』に続いて2度目の感激。大きな声を出せないから、アイスコーヒーのストローを口にくわえつつ、思わずガッツポーズ。

 

西本智美は、いつもの黒のパンツスーツ。黒のマスクを付けて黒ずくめ。格好いい。

 

モーツァルトのピアノ協奏曲は、いかにものモーツァルト。軽快な楽しいリズム。

ソリストの、菊池さんは、白のロングドレス、後ろの裾を引きずる。胸から上と背中は大きく開く。白のハイヒール。

いやあ、ホントに久しぶりなので、こんなにライブのコンサートって、素晴らしい音なんだと。テレビやCDでは聴いていたけど、全然違うのは当たり前だけど、違うのです。

この日は、日フィルも、ソロコンサートマスターの木野雅之、ソロチェロの菊池知也さんも出演していて、弦楽パートは完璧だし、フルートの真鍋恵子さんも出演。密を避けるために、室内楽でもできる曲を、少人数編成で。出演できなかった楽団員も多かっただろう。やりたいよねえ、と思います。こっちも聴きたいし、楽団員も演奏したいし。

そういう意思がぴったり化学反応。

 

チャイコフスキーの弦楽セレナーデは、絶対に第4楽章で泣くぞと覚悟していたが、第1楽章が始まると、もうダメ。

ああ、良い音楽だ。良い音色だ。良い響きだ。優雅だ。ウルウル。

第4楽章が始まると、鳥肌。感染していたら涙にもウイルスいるはずだなあ、なんて思いながらも、止められない。マスクに涙がしみこむ。

終わると、絶対にブラボーだけど、声を出せない。大きな拍手しかできない。あれ、ブラボーの横断幕があるぞ。ちゃんと用意してきたのかな。出演できなかった楽団員からのプレゼントかな。

聴衆は、10分の1くらいしか入っていないけど、気持ちは満員。拍手も全力。一致した演奏会でした。

当然に、アンコールはない。ソリストアンコールもない。仕方なし。

 

クラシックコンサートなんか、ブラボーを禁止すれば、観客は静かなんだから、マスク着用くらいで良いはず。弦楽パートは大丈夫。パーカッションも大丈夫。吹奏楽パートは、何とかしましょう。そんなに飛沫が飛ぶかな。

9月からの秋シーズン、定期会員で、同じ席で申し込んであるのだけど、どうなるのかしら。

この感染者数だと、定例の12月第9演奏会は無理か。

 

高等遊民、コロナ後初めての、文化漬けデー。最後のチャイコフスキーで、本日3回目の感動。素晴らしい一日でした。

クラシックは、高等遊民の本家本元。