7月20日(月) 国立能楽堂
解説 中村昌弘(金春流シテ方)
狂言 (和泉流 野村万蔵家)
シテ(大名)能村晶人 アド(太郎冠者)山下浩一郎 小アド(茶屋)野村万蔵
(休憩)
能 (金春流)
シテ(猩々)辻井八郎 ワキ(高風)舘田善博
笛:藤田貴寬 小鼓:鳥山直也 大鼓:安福光雄 太鼓:林雄一郎 地頭:山中一馬
今月3回目の国立能楽堂。慣れてきたけど、売店などがないのは、やはりさみしい。レストランは開業している。見所が半分以下なので、レストランも空いているが、いつものウェイターが、いつもの通り、テキパキとせずに働いている様子が、換気のために明け放れた掃き出し窓からよく見える。
今年のショーケースは、オリンピックも当初予定されていて、外国人観光客向けに、6カ国語で対応する液晶パネル(タッチ式に変更された)が用意されているが、コロナもあって、ほとんど日本人。ちょっこと、英語版を覗いてみたが、非常に平易な英語でわかりやすい。が、立て込んでくるとスピードに追いつけない。
わかりやすい演目を、短時間に纏めて、というコンセプトらしい。
『萩大名』は、何回観たかわからない。出演者3名で、コロナ対策はない。能村さんも頑張ったが、何度も演じられて、よく見る曲だけに、感動が出てこない。通り一遍の舞台に、どう変化を付けるかだけど、まだ能村さんでは難しいかな。
野村万作の「大名」は、庭を愛でる時の顔つきが、本当に庭を観て喜んでいるようで、よかった。今回は、知識のない「大名」に、特化しすぎたかな。ちょっと知識がないけど、天真爛漫で、楽しみたい「大名」が良いかな。
『猩々』は、2度目かな。ストーリーはなくて、酒飲みのシテ猩々と親孝行なワキ高風の話。ほとんどが、シテ猩々の舞で、中ノ舞など、型どおりが多くて、為になった。「乱」の小書きが付いていないから、足を跳ね上げる独特の舞も無く、わずか、35分で終了。前回は、金剛流で「猩々乱』だった。単に『乱』とする流派?小書き?もあるようで、独特の舞が見どころなんだけど。
ちょっと、消化不良だけど、ショーケースだから仕方ないか。
今回のコロナ対策は、地謡が変わった。2列6名で、全員が、一反木綿がかぶるような、鼻から下を垂らすように隠す、なんていうのか、鼻から下フェイスシールドの木綿板。切土から入ってきたら、後ろを向いてしゃがんで、その一反木綿を装着して、前を向く。
色々流派で、対応が違うのだ。国立能楽堂としては、これという基準は作らないで、各流派などの任せる意向だな。
新聞によると、能楽協会は「能楽堂における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を作成し、「舞台上の『密』回避実施例』を配布したらしいが、一つではなくて、どのようにするかは、おまかせだと。後列からの飛沫を防ぐため、1列になるべく間隔を空けて、座るようにしたいらしい。
どうやら、観世流九皐会では、4人1列にするらしい。ボクの体験では、観世流観世会は5人1列だった。喜多流は常の通りだった。
座席の市松模様は、とっても快適。これだけは、無理だろうけど、コロナ後も続けて欲しい、なんて勝手な希望。
この後、ショーケースが、3回続く。超お安いから、高等遊民には、結構、結構。