時間の余裕がたっぷり取れた、今だからやろう企画の第二弾は、古今亭志ん朝。
上方の桂枝雀とくれば、江戸の古今亭志ん朝だと、誰もが予想するでしょうが、その通り。
東西の、天才噺家。
6日間で、集中して、古今亭志ん朝のYouTubeを観ました。動画になっているのは、ほとんど観たのじゃないかな。といっても、数えたらば31席。
一日に、4~5席、多くても6席観れば疲れちゃう。
にぎわい座で、新・志らく100席なんて企画が続いているけど、聴いているだけでも大変なのに、演ずるのはやはり大変だろうね。練習もするだろうし、何しろ覚えておかなくちゃいけないし、先人の真似だけでは出来ないから工夫もしなければ、ね。大したもんだと、今更感心。
で、志ん朝の落語。良いねえ。江戸弁落語の神髄。声に艶と色っぽさがある。たっぷりと。
口調も素晴らしい。トントントンっとかまずに喋る気っぷの良さ。啖呵のとこなんか最高。調子が良いんだよねえ。座り姿も落ち着いていてねえ。
姿形と声の艶。枝雀とは対極だなあ。良いなあ。
2001年10月、肝臓ガンで他界。62歳。僕より早いぜ。
YouTubeには、若い頃のもあるし、死亡の8ヶ月前なんてのもある。死亡前のは、顔色が悪い。
それが肝臓病の原因かどうか解らないけど、酒飲みだったんだね。それも極めつきの。親父の志ん生も酒飲みだから仕方ないが。
しかも、摘まみをあまり食べない酒飲みだったようだ。とにかく、酒。キューッと喉を通って、胃の腑に到達する快感なんてのが、落語のマクラに出てくる。
下記に、何の演目を聴いたか記録しておきましょう。辞典みたいになる。これはYouTubeにあるモノばかり。
もう半分 抜け雀 五人廻し 化け物使い 船徳 唐茄子屋政談 文七元結 二番煎じ 干物箱 お直し 夢金 品川心中(前半だけ) 三枚起請 浜野矩随 お若伊之助 百年目 火焔太鼓 そば清 紙入れ 富久 芝浜 居残り佐平治 付き馬 反骨香 口入屋 井戸の茶碗 宗珉の滝 宿屋の富 厩火事 酢豆腐 大山参り
どれが良かったか。難しいけど、江戸の吉原モンとか聴けるね。でも、人情噺が、現時点での聞き手の感情に合っていたと思う。文七元結、浜野矩随なんて、泣けるねえ。
さて、第三弾は何になるか。
まだ、積んである本は、横目でチラチラ。