11月29日(金) 国立能楽堂
組踊 『二童敵打』
あまおへ:眞境名正憲 鶴丸:宮城茂雄 亀千代:田口博章 母:親泊興照
歌・三線 箏 笛 胡弓 太鼓
(休憩)
能 『放下僧』 (観世流 宗家)
シテ(小次郎の兄)観世清和 ツレ(牧野小次郎)坂井音雅 ワキ(利根信俊)森常好 アイ(利根の従者)山本東次郎
笛:一噌隆之 小鼓:大倉源次郎 大鼓:亀井広忠
面は直面
25日夕刻から風邪の症状が重くなって、部屋に引き籠もりどころか、ベットからでられない状態で、まともに食事もできない。とにかく何か口に入れて、風邪薬を飲まねば、と。食材も底をついて、摘まみに買っておいた干し芋や、チーズを食べて過ごしていた。風邪薬もやっと薬箱から見つけたが、後で気づいたら既に賞味期限が20年前に切れていた。効いたのかしら、むしろ悪さをしたのではないか。
で、ちっとも回復せず、11月28日に宝生能楽堂であった野村万作米寿記念狂言の会もチケットは買っていたのに行けなかった。袴による三番叟を万作、止動方角を高野和憲が、素囃子を入れて、業平餅を萬斎がやるという素晴らしいモノだったのに。
最近、四連続とか観すぎだったから、こういうこともあるかとは思えども、万作米寿の三番叟、ホントに最後だったかも知れない。
この日の能と組踊も、ちょっと無理して出席。身体を動かさないと寝たきりになるよ、と言うおそれも。一階と二階の往復を日に二,三度という有様。
天気が良かったから、気分的には悪くないが、まあ歩くのに時間がかかる。フラついている。
沖縄組踊は、3回目。国立では初めてだから、どういう液晶表示になるだろと思っていたが、原語の詞章は現れず、現代和語訳だけがでる。ちょっと残念。パンフには両方書いてあるけど暗くて読めない。
ストーリーは、親の敵討ち。2人の子供が調子に乗って浮かれている敵に踊りを見せて、油断させて本懐を遂げる。その二人が綺麗、美しい。こういう稚児好みは昔からか。
語りも、囃子も音が小さくて、却って良い感じ。沖縄は、波と風の音しかしなっかのだろう。
能『放下僧』は初めて。これもストリーは単純で、敵討ちをする兄弟が、放下の姿になって、近づき、本懐を遂げる。兄貴が僧侶なので「放下僧」というわけ。
ワキ敵に近づいて羯鼓の舞を舞うところが見どころらしいが、観世宗家、そんなに上手ではないのだ。アイででていた東次郎さんがやった方が良いのではないか、と思うくらい。そういう訳にはいかないし、宗家は宗家で大変ではあろう。
風邪とその後遺症が抜けきらない。