9月3日(火) 横浜にぎわい座

前座 神田松麻呂 『玄達と宮内』

神田鯉栄 『羽黒の勘六』

神田阿久鯉 『徳治郎の生い立ち』

神田鯉風 『神崎与五郎詫び証文』

(仲入)

神田松之丞 『鮫講釈』

神田松鯉 『松江候玄関先』

 

にぎわい座寄せの色物として講談は聞いたことがある。先月講談と落語・狂言会でも聞いた。その時、神田松鯉が人間国宝になったと言うことを聞いた。

そんなこともあって、珍しく、にぎわい座で講談ばかりの会が開かれるので、チケットゲット。買ったのは7月1日だけど。

さて・・

 

前座は、声が大きくて、早口で、張り扇を釈台に打ち付ける音がうるさい。まず、これが修行の始まりかな。

神田松栄、女性だが、これも早口。物語は、渡世人清水次郎長関係の喧嘩の話し。面白いけど、聞き取りづらい。

神田阿久鯉。これも女流。なんでも、講釈師は女性の方が多いんだそう。この人は、語り口もゆっくりで、一言一言、ゆっくり含むようで解りやすい。物語は、有名なものなんだろう。

神田鯉風。彼は、ベテラン。経験だね。数カ所言い間違いをしていたが、引き込まれる。物語は、47士討ち入り仇討ちに関して、神崎与五郎が、浜松の宿で堪忍して堪忍して本懐を遂げるために、不要な詫び状を書く話し。面白かった。討ち入り話は、講談の十八番だよね。

 

仲入後、ご存じ、人気絶頂の神田松之丞。まだ二つ目だけど、来年真打ちになり、大名跡を継ぐのだそうだ。物語『鮫講釈』は、決まった話の中に、ずいぶんと変わりモノを即興的に組み込んで、講談と言うよりは落語的。爆笑。「真打ちになったら出来ない」とやりたい放題の感じだったけど、さすがの実力で、あっちに飛びそうになってもしっかり戻して、笑わせ、時間も守る。

 

お騒がせしました、と登場したのが、待ってました、神田松鯉。さすがの貫禄。人間国宝。じっくりと『松江候玄関先』を聞かせる。それこそ十八番の演台らしく、客の中には「またか」という雰囲気もあったけど、僕は初めてで、面白かった。声質も、大きさも、滑舌も、テンポも、やはり一流では無いのかな。

 

こういう講談企画はほとんど無い。調べたら、講談協会とか日本講談協会とか。神田一門は、落語芸術協会に所属しているとか。そうなると、色物扱いだけどね。

講談だけの企画があったら、また聞きたいと思う。

9月6日から連続する公演も五日目。まだ一日ある。高等遊民も、連続すると疲れるのだ。金もかかるし。