9月7日(土) 国立能楽堂
一管 『平調音取』 松田弘之
舞囃子 『砧』(宝生流)
シテ・武田孝史 笛・竹市学 小鼓・大倉源次郎 大鼓・亀井広忠
一調 『竜田』 太鼓・三島元太郎 謡・梅若実
独吟 『隅田川』(ワキ方宝生流) 宝生欣哉
舞囃子 『融』(観世流)
シテ・観世銕之丞 笛・竹市学 小鼓・大倉源次郎 大鼓・亀井広忠 太鼓・小寺真佐人
地頭・梅若紀彰
(休憩)
仕舞 『玉乃段』 (金春流) 櫻間金記
仕舞 『熊坂』 (喜多流) 粟谷明生
狂言 『清水座頭』 (狂言方和泉流 野村万作家)
シテ(座頭)野村万作 アド(瞽女)中村修一
(休憩)
能 『羽衣』 (観世流)
シテ(天人)大槻文蔵 ワキ(漁夫白龍)福王茂十郎
笛・松田弘之 小鼓・幸正昭 大鼓・安福光雄 太鼓・三島元太郎
地頭・梅若実
能楽座というのは、各流のそれなりの人物が出演するものらしい。出演した人間国宝は、大倉源次郎(小鼓方大倉流宗家)、梅若実(シテ方観世流梅若)、三島元太郎(太鼓方金春流)、野村万作(狂言方和泉流)、大槻文藏(シテ方観世流)の5名。錚々たるメンバーだが、僕の目当ては、地頭と地謡に登場した梅若紀彰。ホントに良い声をしている。重要文化財総合認定保持者、ということだけど、意味が解らない。
12時半開場と言うことで、そのちょと前に行けば、自由席で脇正面の最前列に座れるだろうと軽く考えていたけど、国立能楽堂は、酷暑の中並んでいる。4列目になってしまった。だが、空席は目立つ。
舞囃子は、シテ方の謡仕舞と、囃子方、地謡も入るお能の直前形式で、有名場面だけやる。ちょっと、で良いんじゃないかな。素人にも最終的に手が届きそうな目標。『砧』のシテは、謡の声が震える。宝生流はそういう謡い方なのかしら。
一調『竜田』の太鼓方は、素晴らしい。太鼓も習おうかなと思うほど。それに合わせる梅若実は、椅子に座るが、良い声だねえ。梅若は声が良いのが伝統かな。
舞囃子『融』。観世銕之丞の、謡と舞は美しい。舞は大きいし、歯切れが良いし、謡も声が震えない。これも観世流の特徴なのかしら。だとしたら、各流の中で観世流が良いね。梅若で習い始めたのは最善の結果だったなあ。
仕舞『玉乃段』。金春流の舞ね。『玉之段』と言えば、東次郎さんが、狂言堂で突然、多分事前打ち合わせなく舞いだして、狂言方もきちんと地謡していたのを思いだす。この印象が強くて。
仕舞『熊坂』は、喜多流だが、喜多流も謡、仕舞共にきちんとしていて、悪くは無い。
狂言『清水座頭』。初めての曲。ここあたりで疲労のため眠気が。折角万作なのに。京の清水寺で結ばれる座頭と瞽女という盲目二人。
座頭の謡う「平家」と瞽女が謡う「地主」がよろしいらしいが、覚えていない。勿体ない。
能『羽衣』。僕は、地謡の梅若実と紀彰に注目してばかりだが、やはり良い声だなあ。
『羽衣』は初めの頃、2017年11月に、MOAでお能を鑑賞した曲。ストーリーより、物着(羽衣に着替える)後の天人の舞(クセ舞)、序ノ舞、テンポの良い破ノ舞が中心で、美しい。優美。
地謡に注目していたが、檜書店の対訳本とチト違う、カットされた詞章で、追いつけず、残念。
このところ、連続していて、こういう鑑賞、とりわけお能は、気持ちのもんだとして整理して、一つ一つ大切に鑑賞しないと。スケジュール闘争みたいでは楽しみが少なくなってしまう。この点も少し反省。だが、どんどん予約購入してしまうのだ。