8月20日(火) 川崎市アートセンターアルテリオシネマ
筑豊の炭鉱には思い入れがある。
三井・三池炭鉱の大争議。60年安保闘争と同時代に並ぶ、全国的戦いで、その当時はまだ子供で参加はしていなかったが、憧れと高揚した同志的感覚があった。1970年代後半の、司法試験受験の時、6畳と4畳半の狭いアパートに夫婦で住んで勉強ばかりしていた時、BGMは、荒木栄の「不知火」であった。”俺たちは~栄えある~三池炭鉱労働者~”などと、歌詞は全部覚えるほど聞いて、歌って、必ず合格して戦う労働弁護士になるのだ、と思っていたモノだ。
そんな経験は茫茫たる記憶の彼方であったが、この映画の上映を知って、俄然記憶が蘇り、観なくてはならぬ、と。
映画は、山本作兵衛ヤマモトサクベイさん(1984年94歳没)が描いた明治・大正・昭和初期の炭鉱労働の実態を示す多数の絵と説明文~2011年ユネスコの世界記憶遺産に登録された~を基にしたドキュメンタリー。
戦後1960年代の労働争議や炭鉱労働者とは違ったが、最後はかすっていて、炭鉱労働の過酷さや、石油中心のエネルギー政策への国策としての変換、翻弄される労働者が彷彿として、久しぶりに、気の引き締まる映画でした。
実際に弁護士となった当時は、労働者階級の戦いに呼応するプチブルジョワジーの弁護士として、活動してきたつもり。
が、いつの間にか、現実の労働運動に失望していく。まあ、その辺りはこのブログの趣旨と合わない。
高等遊民となって、お能を道楽にしていることに喜びを感じているが、そんな原点があるのだと再認識。基本的な思考・思想は、大局では変わらないけど・・。所詮は、頭でっかちのインテリよ、と言われるのだろうけど。
日韓関係、日中関係、原発関係、原子爆弾、沖縄、みんな通底するモノがあると思います。