8月18日(日) 横浜能楽堂

狂言組

『朝比奈』 シテ(朝比奈)山本則秀 アド(閻魔王)山本凜太郎

       大鼓・亀井洋佑 小鼓・住駒充彦 太鼓・梶谷英樹 笛・一噌隆之

       面 閻魔「鬼」(河内作・山本東次郎家蔵)

『布施無経』 シテ(住持)山本東次郎 アド(檀家)山本則孝

 

今回も、東次郎さん渾身の狂言2曲。東次郎さんは、昨日も、宝生能楽堂で後見にいた。忙しいね。

 

『朝比奈』は、先日、8月2日に、シテ野村萬斎、アド野村太一郎で鑑賞したばかり。で、どうしても比較になってしまう。

まず、シテは、さすがの萬斎に迫力があったか。強かった。山本則秀も強かったけど、迫力が違う。

アドの凜太郎君は、若いので声も若くて、閻魔らしくない。野村太一郎ではその辺気にならなかった。アドのお面が、今回は素晴らしい。東次郎家は良いお面を所蔵している。

和泉流と大藏流の違いか、アドが今回は赤い長い髪。前回は、帽子状のモノを被っていて、それと面の相性が悪く、前回の後見がしきりに直していたが、今回は、きっちり収まっていて、かなりの激しさの転がり方をしても、ズレたりはしなかった。

名乗りが、今回大藏流は「朝比奈三郎義秀」と名乗ったが、前回和泉流は「朝比奈三郎なにがし」と。

 

『布施無経』も、今年の1月に、久良岐能舞台にて、同じ東次郎さんのシテで、鑑賞した。アドも同じく山本則孝だった。同じペアで7ヶ月間の経過。演者としてはどんなんだろうか。

前回とまったく一緒という印象は無く、シテ住持が布施を貰いたがるが、恥ずかしく面目ない様子は、今回の方がでているかな。アド檀家の最後の怒りは、今回の方が強く感じられて、シテ住持が「面目ない」という辺り、逃げるように去って行く辺りは、アド檀家が悪役で、シテ住持が可愛そう。

 

こうしたブログで、それぞれの曲・演目の感想を書いていると、比較してしまう面もあるけど、それも逆に面白い。

時間に余裕のある高等遊民の遊び。