8月10日(土) 横浜能楽堂

 

謡・仕舞教室(指導 シテ方観世流 梅若紀彰)、能管教室(指導笛方一噌流 一噌隆之) 太鼓教室(指導 太鼓方金春流 梶谷英樹)の3会合同の発表会。地謡として、シテ方観世流(梅若)から松山隆雄、川口晃平が賛助出演。

仕舞 一管 太鼓連調 仕舞 一管 太鼓連調 仕舞 一管 太鼓連調 仕舞 一管 太鼓連調 仕舞 太鼓独調

素謡『土蜘』

<番外>

一調一管 『唐船』 謡(川口晃平 松山隆雄) 笛(一噌隆之) 太鼓(梶谷英樹)

仕舞 『殺生石』 舞(梅若紀彰) 地謡(川口晃平 松山隆雄)

 

いよいよ、発表会。前夜から緊張した。こんな緊張は、真面目に反対尋問をやっていた時以来。始まっちゃえば大丈夫なんだけど。

 

仕舞『熊野』の相手方が前日夜に帰国したので、9時から第二舞台を個人で借りて、練習。ホテルで練習してきたと言うことで、ちゃんと出来てるじゃない。9時過ぎには紀彰先生も顔を出してくれて、助言。僕は、くたびれてしまって、逆に本番に失敗することを恐れて、軽く練習。相方との合わせが中心。

 

いよいよ、出番。スタートから2番目で、最初の『老松』はわずか1分ほどの短いモノだったので、開会のベルが鳴って、アレアレと思ううちに出番。切り戸口から出ると、もう頭は真っ白。眼鏡を外していたので、見所に人が居ることは見えるが、誰かは解らない。頭は真っ白だが、緊張感はない。ちゃんと舞えていたかしら。腕の張りとか、お扇子の動かし方など、最終的に注意されていた諸点は、まったく頭から消え去り、ただ、身体が動くだけ。そういう意味では無心。ちょっと間違えたと思うけど、気にしない。どうせ分からない。最後に、並んで下に居。ちらと隣を見ると、合ってるじゃない。

浴衣と袴で、人生初めての衣装。袴は長くて、裾を踏まないか心配したが、舞っている時はそれも忘れていて。最後に向きを変えて立ち上がる時に、裾を踏んでいないか確認はしたことは覚えている。

それ以外は、どうやって舞ったかよく覚えていない。切り戸口から出た時に相方とハイタッチ。やったね。うれしくて、うれしくて。

早く、自分の舞姿を録画で見たい。

 

自分の仕舞の出番が早かったので、他の生徒の仕舞も見所から見学。自分が終わってしまうと冷静に見られるが、さあてどういう訳か、皆さん、ビックリするほどお上手で。最終10回目の練習では、大丈夫かいな、というグループもいたが、お上手。どうして出来るの。発表会マジックか。紀彰先生が、僕たちのように、レッスンをしてくれたようだけど、それにしてもねえ。最終的には、紀彰先生の熱意と、生徒側の熱意。

 

番組の最後、トリが我が教室の素謡『土蜘』。一部謡い方を間違えたパートが合ったけど、それも上手く修正。

私は最前列の左端。プロの地謡が最後列からどーんと謡うと、どーんとした迫力に、アレアレ凄い。こういうのは練習してこなかったよね。プロが3人揃う迫力は凄い。普通の能公演では、6人、8人が地謡するけど、舞台上では凄い迫力だろうね。

夢中で、しかし気持ちよく謡えた。後半の地謡。ええい、あれだけのプロの声が聞こえるのだから、ちょっとくらい違ってもいいやと、しかし、飛び出したりしないように、自主練習しかしていない後半地謡も、気持ちよく謡えた。

心配していた正座の痺れもなんともなかった。毛氈のおかげか、緊張からか。最後、立ち上がって、切り戸口から出ると、ああ、楽しかった、と心底思った。

 

わずか、3ヶ月10回の練習で、このような本舞台の発表会が出来るなんて、ホントに素晴らしいし、感謝、感謝。良い仲間と、勿論紀彰先生。

楽しかった。面白かった。

高等遊民の道楽だな。謡・仕舞のお稽古を続けることが出来る。12名にまで膨らんじゃったけど。今月下旬からスタート。