8月2日(金) セルリアンタワー能楽堂

能 『鵜飼』(観世流・梅若) 真如之月

   シテ(尉 閻魔大王)梅若紀彰 ワキ(旅僧)宝生欣哉 ワキツレ(従僧)大日方寛 アイ(里人)高野和憲

   大鼓・亀井洋佑 小鼓・曽和正博 太鼓・小寺真佐人 笛・杉信太郎

   面:前シテ 笑尉(たぶん) 後シテ 小べし見 

(休憩)

ご挨拶 杉信太郎

一調一管 『唐船』 謡・観世銕之丞 太鼓・金春國直 笛・杉市和

狂言 『朝比奈』(和泉流 野村万作家) 

   シテ(朝比奈)野村萬斎 アド(閻魔)野村太一郎

   大鼓・亀井洋佑 小鼓・田邊恭資 太鼓・林雄一郎 笛・杉信太郎

 

この会は、題名だけを聞いたらば解らない。笛方の杉信太郎の会らしい。かなりマニアックな会になるが、セルリアンタワー能楽堂というバブリーな能楽堂開催だし、観客の入りは困難と予想された。我が初めての謡・仕舞教室の講師梅若紀彰先生がシテを務められる能が上演されるというので、教室の時に奥様から進められて、半分お付き合い、半分以上紀彰先生追っかけで購入。案の定、入りは半分以下。

笛の流派まではまったく不知。森田流というらしい。杉市和の長男。

 

『鵜飼』。2度目だが、一回目も今年の4月にセルリアンタワー能楽堂で観世流で見ている。会としては、笛方の杉信太郎の売り。が、こちとらは、紀彰先生。前シテの、鵜之段の舞。鵜をパッと離す時の、扇をパッと開くタイミング、ちゃんと開いたし。後シテの勇壮な鬼の舞。

最近は、謡もだけど、どうしても舞に目が行ってしまって、足の運びから腕の動かし方、扇遣い、なんでも、紀彰先生は素晴らしい。

小書きの特殊演出で、中入にいわゆる間狂言はなくて、笛の独奏が続く中で、シテの着替え。早替わり。笛方の会だからかなあ。笛の音色は確かによろしい。

 

一調一管 『唐船』は、観世銕之丞が出演するところが「偉い」らしい。そんなんだね。

 

狂言『朝比奈』は初めて。シテを野村萬斎が勤める。野村萬斎出演の能楽の会は、人気が高く、売れが良いので、ある意味人寄せパンダ。今回もそれを期待したらしいが、ネットで販売していないので、ヒットしないのです。

朝比奈三郎義孝、母は木曽義仲の巴御前だと。剛力無双の武将で、和田の合戦で勇戦奮闘するも破れ、敗走して行方知れずになったという故事が、皆の知るところであって、それが閻魔大王を困らせるという面白話。

とにかく朝比奈三郎は強いヤツなので、萬斎もきちんと強い。お笑い調子ではなくて、ちゃんとした演技、話法。ほとんど能に近い曲と演出。

 

でも、セルリアンタワー能楽堂は高い。高等遊民には痛いお値段。バブリーだし。ここには、それこそ紀彰先生がシテを勤めないと行かないな。