6月15日(土) 横浜みなとみらいホール
指揮者:ピエタリ・インキネン
シベリウス作曲 『交響詩フィンランディア』
シベリウス作曲 『ヴァイオリン協奏曲』
ソリスト:ペッカ・クーシスト
ソリストアンコール フィンランドのフォークダンス『悪魔の踊り』
バッハ作曲 『無伴奏ヴァイオリンパルティータ1番より』
(休憩)
シベリウス作曲 『交響曲第5番』
シベリウスプログラムだからか、7割程度の入り。空席が目立つ。確かに、こういうプログラムで1枚1万円近く払ってコンサートに行くか、と言われれば、絶対に行かないよね。定期演奏会ならでは。『フィンランディア』以外聞いたことがないし。事前学習でユーチューブで『ヴァイオリン協奏曲』『交響曲5番』を聞いてきたけど、例えばメロディを口ずさめるようなモノではないから、そんなに楽しみにしていなかった。1年間定期を買っているから行くか、という雰囲気でした。
ところがところが、本日のメインは、ソリストのペッカ・クーシストさん。
綺麗なヴァイオリンの音色。高音の弱音部など、思わず背筋にビビりが。なんて上手なんだろうか。プログラムを見たらストラディバリを貸与されているとあったが、楽器のせいだけじゃないよね。演奏上手も十分あると思う。自身の出身がフィンランドで、インキネンの指揮で、フィンランドの作曲家という面もあるのだろうけど。
楽器は、オペラグラスで見たら、ヴァイオリンの縁が何か白いモノで装飾されている感じで、見た目、やや異な感じだったのに。
スタイルもラフな感じの衣装で、頭髪はちょんまげスタイル。
特記すべきは、ソリストアンコールで、フィンランドのフォークソングと言っていた『悪魔の舞』。ステップを踏みながら、軽快に、リズム良く弾く。まるでフィンランドの森の中。村人が楽しそうに踊っている、演奏しているのが目に見えるよう。素晴らしい。思わず、涙が出る。
寝そうだなと予想していたのに、一之輔で寝てしまったのに、なんで、シベリウスでまったく眠くならないんだ!
後半の『交響曲5番』、なんとソリストのペッカ・クーシストさんが、第2ヴァイオリンの最後列にいるではないか。そんなことありか。長年クラシックコンサートを聴いているけど、ソリストがオケに加わるなんて、初めて。
きちんと、楽団員と同じように弾いていたけど、他の演奏者も見回して、ちゃんと演奏しているね、と確かめている感じと、本当にシベリウスが好きなんだな、フィンランド人なんだな、ということ。可愛そうなのは、ちょっと前に座っていた若い女性のヴァイオリニスト。後ろから聞こえてくる音色が耳に入らないはずがなく、緊張しまくりという。
良いんかね、インキネン。こんなことしちゃって。強引すぎないか。良かったんだけどね。素晴らしかったんだけどね。楽しかったんだけどね。
ラザレフやコバケンとはかなり違う路線なんだから、上手に変更していかないと、観客も楽団員もついていかないよ。
でも、こういう体験ができるのは、定期演奏会だからこそ。すっかりハマってしまいました。シベリウス、ちょっとまともにCD揃えてみようか。
やはり、自称高等遊民、出身はクラシックコンサート。