狂言組 横浜能楽堂

 和泉流 野村万蔵家

 

お話し 能村昌人

『子盗人』 シテ(博打打)小笠原匡 アド(乳母)河野佑紀 小アド(主人)上杉啓太

(休憩)

『今参』 シテ(大名)野村万蔵 アド(太郎冠者)能村昌人 小アド(新参の者)野村万之丞

 

『子盗人』は初めて。可愛い赤ちゃんが登場するお話しだけど、どうするのかなと思ったら、お人形を使っていた。こういう作り物、というのかしら、を使うこともあるのね。博打打ち(盗人)が屋敷に入り込むと、可愛い寝ている赤ちゃんがいるのを見つけて、思わずあやしてしまう。そのあやし方が面白い。孫を持つ年齢に達すると、また一段とかわいさが身にしみるというか、そういう演技。

ちょっと、何回か眠ってしまう。狂言で寝てしまうのも、この前もあったなあ。

 

『今参』も初めての気持ちで臨んだが、見ている時に、いやいや一回見たなあ、と思うも、記録が見当たらず。

大名が、新しい使用人を雇うことになる、その希望人数やら、太郎冠者の探し方など、『蚊相撲』と台詞回しも同じ。

で、新参の者が登場するが、万之丞さん、イケメンなのに、今日は声がかれている。風邪かしら。どうして代演を立てないか。万蔵家の当主として万蔵さんは行けると思ったのか。良くわからないままに舞台に上がって万之丞が話し始めてビックリ、なのか。他の2人の出演者が、良い声で朗々と語るのに、万之丞さんは、最後まで声が持つかしらと観客が不安になる。発言のハナから、客席が声は出さないけどざわつく。当主の万蔵さんは顔色を変えない。

お話しは、新参者を雇うについて、試験のような者をする有様、秀句(駄洒落)を読むと言うが、ちょっとどこが秀句になっているか、よく理解できない。結局間違えて主を怒らせてしまうのだが、どこがそんなに怒りを呼ぶ間違えか、良くわからない。

 

先日、パリ公演の録画で、萬さんがインタビューに答えていて、老・壮・青が大事で、万蔵家はそれがうまくいっていると答えていた。言わずもがな、老は人間国宝萬(89歳)、壮は当主万蔵、青は万之丞。今日、萬さんが横浜能楽堂に来ていたら、万之丞を舞台に立たせたか。