【宮中三殿の神殿と日本国民の願い】

〜日本人の目標〜

三重県、特に南勢・志摩では、よく「蘇民（そみん）将来子孫家門｣・｢蘇民将来子孫門」の文字が家の入り口に書かれています。

素戔嗚尊をお祀りする祇園祭のちまきは、八坂神社の祭神・牛頭天王（ごずてんのう）・素戔嗚尊（すさのおのみこと）・牛頭天王を快くもてなした蘇民将来（そみんしょうらい）に由来しています。旅の途中でおもてなしてくれた蘇民将来に対し、お礼として素戔嗚尊が授けたものが元となっています。そして、蘇民将来の子孫だとわかるように「茅の輪」を腰につけていなさい、と伝えました。

つまり、「蘇民将来子孫也」とは「私は蘇民将来の子孫です（だから守ってくださいね）」という意味なのです。

牛頭天王の伝説は、元を辿れば中国と朝鮮の間にある白山信仰から由来している伝承や外来の信仰が日本に伝わり、神社となり、無病息災を素戔嗚尊に祈願する流れになっています。

日本という国は、色々な神様が信仰されており、色々な氏族の神々様は、日本人に愛されています。

日本人の信仰は、天照大神系の神様、素戔嗚尊系の神様、出雲系の神様、他の方の投稿にもありましたが、長髄彦をお祀りする神社、北斗七星を信仰する星神信仰など様々な神々様が神社に祀られて人々から敬愛されております。

今上陛下の御祖先の天孫族とかつて争いをした部族の長も、地元で神様としてお祀りされて人々から現在も愛されて続けていること、それが継承されてきたこと、それら全部は日本の神道という八百万の神々を尊重する日本独自の信仰観であり、世界に類を見ない現象だと思います。

宮中三殿（賢所、皇霊殿、神殿）のうち天神地祇八百万神を祀る神殿は、日本中の色々な氏族の信仰する神々様がお祀りされています。

これは、海外のような権威者が他の神様自体を殲滅する思想ではなく、他の神様をマルっと尊重して、お祀りするという世界に類を見ない融和思想なのです。これは、大きな和の民族、大和民族の信仰的考え方であり、皇室はその信仰観を今も大切に守っていますことは、宮中三殿の神殿の日本中の神々を見ればわかります。

長い日本の歴史では、争いの歴史を繰り返して、日本は統一されてきましたが、その争いも、つまるところ平和や安寧を希求した氏族同士がそれぞれの立場で争っていたものであり、その太古の色々な氏族の人達の願いは、侵略から守り平和な暮らしをしたいという、それぞれの氏族の立場での願い同士が衝突して争いになったものと思います。

長い日本の歴史の延長上に現在の統一された豊かな日本国があり、その現在の日本国には色々な氏族の末裔が日本国民として生活しています。

僕たちの今の時代は、昔の各氏族の祖先たち昔の怨讐を乗り越えて、氏族同士の差別や争いのない日本を作っていくことが、各氏族の御祖先の願いなのではないでしょうか？