おはようございます

 

今週はばたばたしています

年度末だからか?

 

春は楽しみもある季節ですが

落ち着かない季節でもあります

 

 

もう大分まえのことです

 

70代の男性が胃がんでご逝去されました。

妻は緩和ケア病棟にほぼ24時間つきそわれて

かいがいしくお世話をされておられました。

 

仲むつまじいとはこのこと

 

夫も妻に心から感謝し

妻も夫に心から感謝し

 

理想の夫婦だった

 

旅立ちの事もお二人で話し合っていて

「つらいことだけど、この人が困らないように

しておかないといけないでしょ」、と

遺影のこと、葬儀のこと、すべて

まとめておられました

 

 

妻も

「悲しい。これ以上悲しいことはない」

「でもしっかり生きていかなければと、

思うのです」

「ただ、わたしはこの人の親戚に

あまりよく思われていなくて」

「この人も、私もそれだけが心配なのです」

 

 

 

 

 

本人は妻に手をにぎられながら旅立ちました

 

 

妻はその時を迎えた瞬間から

憔悴しきっている様子は

私達もとても心配だった

 

 

スタッフや私が

訪室したときにもいくどかその

憔悴の原因となるかもの現場は

みていたから余計に心配だった

 

 

私がたまたま訪室したときには

男女一組がお部屋にいらっしゃった

(*コロナがなければ面会の制限なし)

 

「あなたがしっかりしていないから

この人ががんになったのよ」

「なんで緩和ケア病棟に入院しちゃったの?」

「諦めちゃだめよ」

 

 

本人

「ぼくがきめたことだからこの人は

関係ないよ」

 

 

家族は色々だとおもいながらも

私も長居は無用と思い

そそくさと部屋を後にした

 

 

スタッフも色々見かけたと

聞いていた

 

なにがあったのかはわからない

 

でもなんとなく胸騒ぎ・・・

 

 

 

 

しばらくして妻が病棟にいらしてくださった

 

一回りも二回りも小さくなっていて

 

心労が極限に感じられた

 

それでも律儀にご挨拶にきてくださった

 

どうかゆっくりすごしてくださいと

伝えることしかできなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

半年が経過したとき

 

 

 

 

 

妻が亡くなったと風のたよりに聞いた

 

 

自宅でひっそり

なくなっていたそう

たまたま親族が訪問して

気づかれたと聞いた

 

 

 

伴侶の死は

人生最大のイベント

 

 

彼女を救う方法はなかったのか

 

どうにか支えられなかったのか

 

 

 

 

患者さんが退院してからは

家族をサポートすることは

基本的に病院ではできない

 

これはよくスタッフとも

話し合う

 

 

ソーシャルサポートの少ない家族

のこされた子どものいる家族

 

病院にくることができるご家族は

支援の手があるが

 

病院にくることができない家族を

どうやってささえればいいのか

 

 

これも緩和ケアとしての

いや

社会としての

課題だと感じている

 

 

がんカフェを作りたい理由はそこにある

 

故人をしのびながら

なにも話さなくても

ぼーっとしていていい場所

 

それをつくりたい

つくらなければって

思うのだ

 

 

大切な人を亡くしたかたへ

 

 

どうか自分を責めないで

あなたがたおれてしまうことを

大切な方は望んでいないと思います

 

切に願います

 

 

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古賀さんのご家族への取材や

報道をみていて

もういいよ、やめてあげてって

感じるのは私だけか?

有名人だとて人間

その家族も悲しいだろう

 

義父が亡くなったとき

なんだかそういえば私も

親戚になにやらいわれたなあ

 

どうして近くに住まないのか

かわいそうに、とか

お義母さんはどうするんだ、とか

 

 

そういうことはいうものじゃないよ、って

おもいながら

大人の対応をしたけどねぇ

いい気持ちではなかったなぁ

 

家族は家族の事情があるし

それは親戚だとて

口をだしていいとことわるいとこ

あると思う

 

たとえ正論でも

それは刃になるということ

葬儀の場で

悲しみの渦中にいる遺族に

はなしてはいけない

せめて

時期をかんがえてほしいなと

思います