「祖母を緩和ケア病棟で過ごさせて
あげたい」


そう言って、緩和ケア外来を受診されたのは
患者さんのお孫さん


「認知症があって、自分の病気も
よくわかっていないと思うんです」

「消化器内科の主治医の先生に
相談したら、認知症の患者さんは
緩和ケア病棟には入れないって
ききました」

「なんでなんですか?」

「そんなのおかしくないですか?」



そんなことないですよ
認知症だからってお断りはしないです
だれにきいたの?


「主治医の先生です」

「よほどよほど衰弱してから
入院する病棟だし」

「認知症の患者さんは
入れてもらえない、って」



うーむ😞🧐

なんどかその先生の患者さんも入院している

あれ?

学習してほしいけど、難しいのかな



認知症でお断りすることはない
むしろ
お孫さんが感じておられるように
苦痛を訴えられないから
苦痛を察知する必要がある


ただ

出入りしやすいから
あまり徘徊してしまうときは
難しいかも、って伝えます、と
説明



「そういうことならわかります」

「いまは徘徊する元気もない」

「わたし母が仕事していたから、
おばあちゃん子なんです」

「だから、おばあちゃん大好きで」


「治してほしいけど治らないのは
わかっている」

「おばあちゃん、しぬときは楽にしにたい」

そう言っていたんです
とめもとを潤ませる


優しいおばあちゃまだったのね
あなたも優しい


「いやだ〜泣けちゃう」


いつものティッシュを差し出す







一度おばあちゃまと
一緒に外来にきて、診察させてもらえる?



「いいんですか?」

「この場所ならおばあちゃん
いやがらないです」


「今はあれだけど、ほんとは元気な
人だったんです」



直接お話しできてよかったです、と
リュックを、かかえて
帰られた



衰弱しきってからって
どういうイメージだ??


と、物申したくなるが
なんだか腹も立たない


目の前のことを
一つ一つ大切にしたい

その積み重ねって
そのとき感じたんだよね



お孫さんの優しさに
ふれたからか

わたしが患者さんと
亡き実母を重ねてしまったからか


認知症だからといって
何も、かわっていない

まして

緩和ケア病棟
ことわらないです

ほかの緩和ケア病棟はしらないけどサ



わたしは
誰にも、尊厳があり守られるべきだし
守るべきと考えるから





翌週

お孫さんと一緒に来院された


「この子、かわいいでしょ」

「自慢なの」

「だけど、わたしはもう永くないわ」

「わかるのよ」

「身体が自由をゆるさない」

‼️


やっぱり

自分の身体のことは自分が
察する❗️



これは
真実だよ



わたしは患者さんにわかりやすく
緩和ケア病棟について
説明した

延命治療についても

膵臓がんについても


きっと難しいことはしっかり
理解できなかったと思う


でも、こう話したの


「おじいさんが、むかえにくるのを
静かにまてるなら、それでいい」

「そっとしておいてほしい」


「点滴はきらいよ。食べられるだけたべて
食べられないようになったら
おしまい」







わたしは

お孫さんとかおをみあわせた


そうだよね

これでいいよね


認知症だからって
意思がないわけじゃない



できる限り家で過ごし

緩和ケア病棟は準備していくことを
つたえた




忘れてしまったら?

それでも
彼女は命の本質を理解している
話してみればわかる



さぁ
充実した人生の最終章


いきていただけるように


わたしも頑張るよ💪


こまちの後ろ姿


あたちも

運動頑張ってるよ