どんなにつらいことがあっても

ひとは立ち上がることができる

 

でも1人じゃ立ち上がれないこともある

 

 

患者さん

患者さんの家族

 

医療者も

ひとりではない

 

緩和ケア医になると決め

放射線治療の外来を月末に終了することを

伝えるとき

 

長年私の外来に通ってくださった

患者さんが

外来受診を卒業しようかというとき

 

「ほんとにうれしい」

「長かったわ。でも10年早かった」

「うえをむいて歩こうって歌があるでしょう?」

 

「涙がこぼれそうなとき

涙がこぼれないようにうえをむくのよね」

 

「まあそれでもこぼれるときはこぼれるけど」

 

「10年かよって」

「病院通いたくないと思ったけど」

「それでもさ」

 

 

「ひとりじゃやってこれなかったよ」

 

「ありがとうね」

 

「ひとりぼっちのよるもあったけど

ひとりじゃないってわかっていたから

やってこれたんだと思うの」

 

「頑張って」

「新しい道にいっても先生らしくね」

「ありがとうね」

 

 

「がんばれ!」

 

「いままで応援してきてくれたでしょ?

私が今度はかえす番だね」

 

「応援してるよ」

 

 

 

ひとりじゃない

 

つらいとき

上をむいて歩こう

上をむいてなみだがこぼれないように

 

 

つらくても

ささえてくれる人がいるから

 

 

患者さんも家族も

医療者もだれも

 

ひとりじゃない

 

もしも今1人で

苦しい人がいたら

 

それでもきっとあなたはひとりじゃない

 

 

わたしもひとりじゃない

 

 

みえないけれど

 

 

同じ空の下

 

あなたも私もつながっている

 

 

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母のとき色々あった

それはほんとうにつらく

思い出すこともつらいことも

たくさんある

 

それでも

生きていく

生きていく間は

生きていくしかないから