40代の患者さん

直腸がんの再発で
抗がん剤をいく種類か変更してきた


が、いたみがなかなかとれない

いたみのことをつたえると

「じゃあ、抗がん剤をやめます?」
となり、

ちがうちがいます!、と
答えたらしい


自ら
緩和ケアにかかりたい、と頼んだ


(なかなかこうやって自分で
動ける人も少ない…)


「痛みを、なんとかして
そうしたら、生活しやすくなる、って
言っただけなに」

「だいぶ痛いみたいだし、治療やめてみる?」

って
ちがいませんか?、と
笑う


なかなか緩和ケアを受診したいって方
少ないしね、と話すと


「へぇ。いたみとかとるプロって
ききましたよ」

あらら、じゃあがんばらないとね、


「子供とすごしたいんすよ」
「まだ3歳の末っ子、かわいい」
「くじけそうになっても
がんばろって思うんです」

「どっちみち、成人式は
みられないからなぁ」
「どうすごすか、どうしたいか」

「最近そればっかり
かんがえてます」

「親にもまだ恩返ししてないし」

あーあ、と
上を向く


しばらくの沈黙



傾聴や、寄り添いなんて
おこがましく感じる瞬間


私になにができるのか
何をすることが
彼のためになるのか


とりあえず、痛みをとることに

まやくを増量
ほかにもいくつかのくすりを
組み合わせ…






2週間後


「公園行きましたー!」
「ブランコ乗れましたよ」


えー、大丈夫?


「さすがにやばいと思って
おりました」

あーよかった


「幸せでした」
「痛みがなければ
病気があることを、忘れる
時間がふえる」

「どうすごすか、どうしたいか
かんがえました」



「治療もとうちゃんもがんばります」



「こんど奥さんもつれてくるよ」

「話きいてやって」



了解👌


このささいな日常

これがどれだけ大切か




当たり前は
永遠に
あたりまえではないのだよ