緩和ケア外来に紹介のあった

患者さん

 

膵臓癌で手術をして

抗がん剤治療をおこなったけれど

再発

 

その後も幾度も化学療法を勧められたけれども

希望がなくて経過観察

 

緩和ケア外来の受診を希望されたけど

主治医が

まだ抗がん剤もできないわけじゃないのに

受診しなくていい

あそこは最期だ、と

紹介を断った

 

 

彼女はもともと医療者

だから

緩和ケアの意味を

理解されていた

 

お亡くなりになる1か月前

主治医に

「先生?もういいですか?緩和ケアに

かかっても?」

と、伝えて、それでも渋々

紹介

 

 

緩和ケア外来に

いらっしゃったとき

「ここまでの道のりのながかったこと」

「早くここにきて、すっきりしたかったわ」

 

そう言ってケラケラと笑った

 

「痛みはないし、受診しなくても

いいって言われるけど」

「体は痛くなくても心は痛いのよね」

「わたしだって勉強しているのよ」

 

 

多分あと一ヶ月くらいよ

 

 

最期は緩和ケア病棟にいれてね

 

おだやかに過ごしたいの

 

最期の所っていうイメージあるけど?

 

「だって最期を過ごす場所くらい

自分で決めたいでしょ」

 

そう言ってまたケラケラとわらった

 

 

 

そして希望通り

最期

緩和ケア病棟で過ごされた

 

いよいよの日の前の日

夕方の回診で

 

「ありがと、また会おうね」

 

翌日だった

 

 

また会いたい

もっと話したかった素敵な女性

 

 

そして

ご家族はその背中をみてすごされた

 

だから

家族みんな大勢、孫も含めるとたくさん

みんなあなたのように

しっかり生きたいと

話していた

 

 

ありがとう

お疲れ様

 

 

患者さんが受診したい、といったら

それは何かのニードがあるの

 

だから普通に紹介してください

 

必要があるかどうかなんて

医者が決めることじゃないからね

 

また会おう!!