乳がんと診断された患者さん

 

様々な治療の提案がなされたけれど

副作用の話をきいたら

怖くなってしまって

 

受診をやめてしまいました

 

1年半ほど経過したとき

 

救急外来を受診されました

 

その結果は

全身の骨転移

これによる痛みで

家で動けなくなったとのこと

 

 

あまりにも痛みがつよいので 

緩和ケアチームに連絡があった

 

フットワークが軽いのがうりの私達

 

「何も治療をしなければ

静かに死ねると思ったのに」

「もう心残りないくらい

楽しく生きたから」

「なのに、こんなことになるなんて」

 

痛みはすぐに薬で消失

先ずは体調を整えることを行いながら

がん治療について話し合われました

 

今回は治療をすすめることなどをお伝え

 

「長生きしたくないけど」

「痛いのはいやよね」

「うごけなくなるのもいやよね」

 

考えさせて、とおっしゃって

1週間後

 

「治療うけることにした」

「でも痛みをとるためなら

治療をうけるわね」

 

 

そう言って

ホルモン治療を開始しました

 

 

 

そして2年が経過

 

 

痛みもなく

外来通院を継続中

 

 

「やっぱり

標準治療っていうのは意味があるのね」

「末期癌がなおった、っていう本が

あったから、それに書いてある食事を

一生懸命やっていたんだけどね」

 

「お金、無駄遣いしちゃったね」

 

「先生のいう治療が

一番よかったんだってこと

他の人にも伝えたいわ」

 

「イミのないことにお金をかけるのは

本当に無意味」

「時間をかえしてほしいくらい」

「あんな本、気持ちをうまく利用して

なにか自分の物をかわせようっていう魂胆よ」

「ひどいわ。よわいものの気持ちにつけこむなんて」

 

いまだにこの話になると

もりあがってしまいます

 

以前に古村比呂さんのブログを

紹介させていただいたことがありますが

 

 

やはり

標準治療は

最高の治療と思います

 

 

ノーベル賞をとった

あの薬だって

やっぱり効果がなくて、という方も

いらっしゃる

 

現実をみすえ、きちんとした

報道が必要と思います

 

 

「せんせ、最後はたのむからね」

 

と、毎回話されるけど

まだまだ

その時は遠い

 

やっぱり伴走させてもらおう

そのことに感謝

患者さんも私も