ある肺癌の60代の男性患者さんが

抗がん剤治療について前向きにならないから

一度話を聞いてあげて欲しい、と

呼吸期内科の先生から連絡がありました。

 

 

診察室に入ってくると

「こんにちは」と言ったきり

何も話してはくれない

 

私はどちらかというとこの”沈黙”が苦手

 

なにかしゃべっていないと

なんだか不安になる

 

患者さんに“先生、ちょっと黙ってくれる?”、と

幾度か言われたことがあるガーン

すみません

 

今は大丈夫ですよ・・前よりは、黙っていられます!!!

 

(なんだろう?痛いのかな?なんだろう?)

(緩和がいやなのか?)

 

あ〜もう口を出してしまいそうだ、と思ったとき

相棒の頼れる看護師さんが

 

「病院にくるのもしんどかったでしょう?

よくきてくださいましたね」

 

と声をかけた

 

すると、顔があがった!!

 

すごい、すごいすごすぎる

さすがすぎる!!

 

「タクシーできたんですが、疲れちゃって」

「これからの治療のこと、よくわかんなくて」

「副作用とか、色々聞いたら怖くなっちゃって」

「なにか聞かなきゃって思うけどわからないし」

「怖いし」

 

何から一緒に考えましょうか?

あわてなくていいです

 

「そうなんですか?」

「少しでも早く答えをださなきゃ、ださなきゃって思うと

あせるばっかりで」

「言葉もでないんです」

 

患者さんに一方的に話す医療者多いですよね

医療者はことのはじまりから、その経過から

知っているから、はじめてじゃないから

怖いとか驚く、という感情がそれでも

なんとか制御できるのかもしれないけれど

 

はじめてだったら?

 

よく銀行とか役所に手続きにいったときに

感じます

手続きの仕方どころか、どの窓口にまずいけばいいのか

書類の書き方、色々わからないこと、ありませんか?

 

そんなとき、ぶっきらぼうに

”ここですよ””ほら、ここにかいてください!”なんて

言われたら

ますますわからなくなる

 

絶対そういう経験あるはず

 

相手が、どこまで分かっていて、理解していて

その次に進む余裕があるかを見極めながら

 

優先すべき内容、治療について説明していかないと

いけないということ

 

医療者と患者は常に対等でなけでばならないということ

 

患者さんの話を聞く姿勢をもつということ

 

これを学ぶ必要が医療者にはあると思う

 

この患者さんは

 

ゆっくりと話を進めながら

一歩ずつ前に向かい

 

治療を開始

 

いまも化学療法を続けながら

過ごしています

 

治療意欲がない、って決めてしまってはいけない

 

治療意欲がないわけじゃないから

病院には通院しているのですものね

 

意欲のない人は

受診しないはず

 

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