40代の患者さん方からのことばをもとに、考えてみます。

40代半ばの大腸癌の患者さん
腸閉塞で発症し救急外来を受診。前から体調は悪かったそうで、告知されたときも、あーやっぱりな、と感じられたそう。準緊急的に手術が行われました。

すでに腹膜播種も認められて、根治は困難で化学療法を行うことになりました。外科の主治医の先生から、痛みもでてきそうだし、早めに、と紹介いただきました。

「自分は仕事をしたいです。というか仕事しないと食べていけないし。だから、生活できなくなるような副作用はできるだけ避けたい。あと、余命も知りたい。わかる範囲でいい」

最近はネットでも色々かいてあるし、若い患者さん、ご家族はいろいろ調べられています。驚くような内容のこともあるけど、はっと気づきになることも多い。

あしあとあしあとあしあと

治療について、いろいろ気持ちを伺いました。
会社で重要な立場にたったばかりで、簡単には休めない、入試をする治療なら、それも伝えないと。
後輩に託して、いろいろひきついでいきたいと、かんがえていることを話されました。

無理に気持ちをおさえなくてよいよ、と伝えました。

「ありがとうございます。今は不思議と落ち着いています」

予後についてはどのように知りたいか、伺いました。

「そうだなあ、あと1ヶ月しかない、とかって急に言われるのは嫌かなぁ。身体が辛くなりすぎるまえに、知りたいかな。仕事をしっかり引き継ぎたいんです」

ひとによって何を優先するかは本当にことなります。
この方にとっての予後を知る意味は、仕事をやり遂げ、、迷惑をかけないためにだということ。

そうか…

「あれ?先生、どうしたの?僕がおちついているから、驚いてます?アハハ、いまは落ち着いています。でもね、最初は荒れた。ティッシュの箱を投げていくつも壊したよ。後悔もした。でも、その時間すらもったいない。そう感じたんです」

心を見抜かれました。

予後をしることは、悲しいことばかりでなく、
人生を全うするために大事なことでもあるんだな


いつでもきもちを伝えてもらっていいこと
きもちが変わっていいことを伝えました。

患者さんのチカラを私は信じよう、そして支えよう
そう思いました

その日のまえに、なんですね