患者さんの妻
「でも、抗がん剤しなければ、どうなるんですか?そんなんじゃがんに負けちゃう。少しくらいつらいのはがまんさせるから、抗がん剤をやってください」

本人
「僕はいいよ。今までもつらかったんだよ。がんがひとつやふたつちいさくなっても、ぼくは、元気にはならないとおもう。やっぱりもうやりたくないなぁ。」
「だけど、治療しないって言ったら先生が気分をわるくするよね。治療しなくなったら、もうみてくれない」

いつもかんじます。自分のからだのことだから、自分がいちばんよくわかる。誰になんといわれようと、前と違う身体、思うように動かない自分、いちばんわかるのだと思います。

がん治療は日進月歩、生きていれば何か新しい治療薬が開発される。抗がん剤を行うことが、身体にも気持ちにも負担にならないように、調整したいとおもいます。一日でも長く、その願いはみな一緒のはず。

でも、でも。もし治療のたびに、寝込んでいるようなら?動けなくなって、身の回りのことをするのがつらいようなら?

もしかしたら、今の治療は負担なのかも?

治療と生活のバランスを考える時期かもしれません。

(主治医の先生にきいてみませんか?)
「今の治療をどうするかだよね。なんてきこう?」
(治療のあと少しつらくて、家で過ごすのがつらいって、つたえてみては?)
「そうだね。きいてみる」

緩和ケア外来はひと枠30分。ゆったりと話をします。患者さんの思いに寄り添いたいから。

次回外来に、今後のことを決定します。


この子たち知ってます?