緩和ケア外来を平日午前、主治医の外来にあわせて受診できるように、平日午前毎日開いています。臨時の受診もできるだけ受け付けます。

ある日の外来…
発熱が続き、倦怠感も強い男性患者さん。これからの過ごし方が、わからない、と話されます。
「先生はさ、抗がん剤を受けたほうがいいって言うんだよね。でも何のために治療するの?わからなくなっちゃった」
(どうしてそう思う?)
「前やったとき、結局副作用で苦しんで入院になっちゃった。がんはひとつかふたつ小さくなったらしいけど、それなのに元気にならないよ」
「抗がん剤やっても、家で過ごすことができないなら意味がない」
(家でできるだけすごしたい?)
「そりゃそうよ。もう限られた命だもの。できるだけ家ですごしたい」

抗がん剤治療はがんとともに生きる上で、有用です。どんどん進化して、副作用対策も万全になりつつある。
でも体力がその副作用に負けてしまうことがある。

抗がん剤をやめたら、すぐに?
そうばかりではないように感じます。
体調が悪いのに、抗がん剤を使用し、副作用で中止。そのあと体力回復せずに、いよいよのときを迎えてしまう

本人が希望していたのであればよいと思います。
でも別の生き方も提案していたら?がんと闘うことばかりが治療ではないと、おもうのです、

さて患者さんはどう選択していったでしょうか?

              次回につづきます。


考えてみるねあしあとあしあと