今日は暖かい。ホッとします。

いたみをやわらげたり、呼吸のつらさをやわらげたり、医療用麻薬はとても有用です。種類によっては慢性の難知性のいたみにも使われるので、決してがんのかたばかりに使うわけではないのです。

しかし、医療用麻薬を、と説明すると、多くのかたが、「まやく、ですか…」「モルヒネですか…」と悲しそうな顔をされます。
医療用麻薬について、説明させてください。
難しい言葉はあえてつかいません!

正しく処方され、正しく使用することは大前提

○くせにはなりません
○最期だから使うわけではないです
○つらさにあわせて使用すれば生活を楽にできます
○モルヒネ以外にも色んな種類があるし、きちんとつかえばいまのつらさから解放され、治療にもまえむきになれます
○がん治療をうまくすすめるためにも、日常のあたりまえの生活をおくるためにも、症状を和らげることは大切です

絶対に麻薬はいや、とはなされていた女性患者さん。家族を大事にして、家族のために食事をつくることを生きる支えにしていました。でも、痛くて、続けて家事ができなくなり、2時間かけて、朝弁当をつくるように。ある日、痛すぎて、台所でうめいているところをご主人が発見!臨時受診となりました。
痛すぎたからか、めずらしく、提案をうけいれてくださった。それでも「効かなかったらすぐやめるからねっ」と、帰り際に一言。何かあれば、すぐ連絡して良いよ、とお伝えし、ご主人にも説明して帰宅。

1週間連絡はなし。ひとまず、ほっ。でもいたみにたえてるのかなー、くすり、飲んでないのかな…

1週間後の外来にて、私も看護師さんもドキドキ…

「先生!よく効いたよ。眠れた!もっとはやくのめばよかったよ!みんなにも言うわ!たいして怖くないわ!子供に朝、弁当つくってやれたんだわ。嬉しかった!」

ほっとしました。と、同時に症状緩和はあたりまえの生活をおくるために、いかに大切か、再認識しました。安心して療養できるように支える、保障することの大切さ。

緩和ケアって、形もみえないものだけど、暖かいひだまりのように、つつみこんでいくことかも。


ポカポカでしたね。当院緩和ケア病棟のデイルームです。