大人の休日倶楽部パスの発売は通常年3-4回。
奥の細道の冒頭ではないが、このチャンスを逃してはなるものか、今度はどこに行こうかと、発売日が近づくとそわそわし始める。
そゞろ神の物に徒きて心をくるハせ 道祖神のまねきにあひて 取もの手につかず。
コスパを最大限にするためにはやはり新幹線でできるだけ遠くに足を伸ばすことである。津軽線の蟹田から先、大湊線、それに八戸線が青森の未乗区間。八戸線に乗るのであれば三陸鉄道を経由して山田線で盛岡に戻る旅程が望ましいのだが、8月の豪雨で不通になっている。よって今回は北上は断念し、比較的近くながら、パスの恩恵を十分に被ることができ、宿泊も伴わない変態的な2日間の行程がつい2日前に完成した。
9/28
八王子08:33 あずさ5 南小谷11:59
南小谷12:07 大糸線 糸魚川13:06
糸魚川13:42 急行2号 直江津14:31
直江津15:07 ほくほく線 16:02十日町
十日町16:26 飯山線 越後川口 16:53
越後川口 17:05 上越線 長岡 17:29
長岡 17:48 とき334 東京 19:36
最寄りの駅からまずは八王子へ。日に1本だけの南小谷行き特急あずさは満席。コンビニで駅弁、お茶、コーヒーを買って乗り込む。
つい2日前に山梨まで乗った中央高速に沿って列車は走る。あっという間に相模湖を抜け、大月を過ぎ、笹子峠の下をトンネルで抜ける。運転して遠出するのは好きだけど、やはり鉄道が快適で、速い。
1時間もかからずに甲府到着。昨年から子どもが山梨勤務になったので、年に何回も通ってお馴染みの土地である。
小淵沢、茅野、下諏訪、上諏訪、岡谷。JR東海の電車が停まっている。
八王子から約2時間で松本到着。車内は一気にがらがらになる。北アルプスが見える左側の席に移動。26年ぶりの大糸線入線。
八王子で買っておいた幕の内弁当を食べながら、車窓を見るが北アルプスには厚い雲が垂れ込めている。意外なほど快調に列車は走る。揺れもそこまで大きくはない。
20分ほどで信濃大町。長野新幹線開業前に信州ワイド周遊券で旅をし、大町温泉に宿泊した。西に聳える山々を眺めながら、次は立山黒部アルペンルートに、と思った。未だ次は実現していない。
終点南小谷には3分ほど遅れて到着。あずさは長大9両編成でここまで入線してきている。前の方の車両だったので最後方の乗り換え跨線橋まで時間がかかる。改札を出て写真を撮りたかったが諦めて直接列車に向かうが車内は既に満席であった。最前部に進み、たまには立ったまま前面展望でもいいか、と思う。
電化され特急が乗り入れる南小谷までとはがらっと様相がかわる。40キロほどのゆっくりした速度でJR西日本の単行キハ120が糸魚川に沿って走る。途中駅での乗降は4-5人ほど。立ち客を乗せたまま列車は日本海側に抜けた。
糸魚川到着。
乗り換え時間は30分ほど。直江津までのきっぷを買い、急いで新幹線高架下のジオパルへ。キハ52が展示されている。
ここからは国鉄急行型。乗り鉄おじさんグループがハイテンションで写真撮りまくっている。楽しそう。ヘッドマークは古の博多行き急行。
往年の韋駄天を彷彿とさせる激走で、直江津到着。小腹が空いた。駅前に駅そば発見。今でも営業しているのはありがたい。名物というメギス天そばを注文。美味かったか小骨が多いのはいまいちだった。
直江津から越後湯沢行ほくほく線はがらがら。1割くらいの乗車率か。信越本線を1駅だけ、犀潟まで走る。ここで10分ほど停車。後続の信越線長岡行きの待ち合わせか。
信越本線が左に分岐し、いよいよほくほく線区間に入る。ミニ新幹線のような高架線を電車はいっきに加速する。特急なみの速度と乗り心地。はくたかが走っている時の乗っておくべきだった、今更ながら後悔する。
十日町で下車。ほくほく線を乗り通すのではなく、ここから飯山線。どうして?実は今日は一旦横浜の自宅に帰り、明日ふたたび新幹線で越後湯沢に行き、そこからほくほく線に乗る予定なのである。六日町からおいこっと長野行きに乗るので時間的にこのほうが都合が良い。2日かけてほくほく線と飯山線を完乗する。冒頭に変態的行程と書いた理由である。
1日乗りずくめでそろそろ電池が切れてきた。うつらうつらしてる間に越後川口。小さな駅、寂しい駅前。飯山線をもう少し大きな町、例えば長岡まで運転したらもう少し利便性が上がるのに、とも思う。
上越線長岡経由、新幹線でいったん帰宅。まだまだ距離はあるが、新幹線は偉大である。気持ち的には今日の行程はほぼ終了である。