本澤二郎の「日本の風景」(5174)

<安倍・清和会の改憲軍拡音頭と尖閣問題と>

安倍晋三が殺害されても同情論は起きなかった。国葬批判もすさまじく、唯一台湾の独立派政権のみという異常さだったことを日本国民のだれもが知っている。今現在、日本崩壊を告げるニュースばかりだ。正確に理解する能力はないが、日本銀行の国債購入が目標に届かない「札割れ」という見出しにうろたえる関係者は多い。以前住んでいた東京・品川区で、離婚したばかりの母子4人の遺体が見つかったという痛ましい事件も、肝を冷やす。

 

相次ぐ日米右翼議員の訪台に中国大使も怒った。それにかみつく安倍・清和会勢力。尖閣問題に火をつけたのは日本政府だ。安倍の仲間の石原慎太郎と野田佳彦である。田中角栄と大平正芳の命がけの歴史的な日中国交正常化を完全に破壊した岸信介・安倍晋三の反中勢力の逆襲に、読売産経など右翼新聞テレビも追従する今である。政治は為政者の資質で変わる。小選挙区比例代表制の悪しき実績である。安倍・清和会の改憲軍拡音頭を宏池会の岸田文雄が、ワシントンのポチに変身して継承し、全く恥じない。悪魔に手を染めた岸田に警鐘を鳴らす護憲リベラルの叫びが、新聞に一行も出ない。偏狭なナショナリズム・民族主義ばかりが、日本列島に鳴り響いている。日本版ヒトラーの世紀なのか。

 

<火付け役は日本の野田佳彦と石原慎太郎>

尖閣問題は日中首脳同士の見事な知恵によって「棚上げ」されてきた。その壁を一方的に突き破った人物は、極右の三文作家の石原、そして松下政経塾で、偏狭な民族主義教育をたたき込まれた野田佳彦。嘘つきの野田・日本政府が、中国との外交交渉を抜きに「国有化」して、東京と北京は決定的な政治環境に突入した。

おまけに山東昭子。彼女は田中が政界に送り込んだ魔女だったのだろう。裏切りは当たり前の政治屋だ。もうけを知りたい。それにしても松下幸之助ごときが、政界に送り込んだ鬼に騙されるお粗末最低の国民は、またしても房総半島の人間である。

 

例えばの話だが、沖縄の戦後は悲惨の一語に尽きる。今では沖縄独立を口にする住民もいるという。もしも、そうした中で反日の外国勢力が横やりを入れてくるという、明白な内政干渉に対して、日本政府は怒り狂うだろう。特に関係する外交官も怒り狂う。当たり前である。

 

<南京・盧溝橋を旅しよう=中国人民の心を理解できる>

安倍も野田も石原も南京・盧溝橋・ハルビンに行っていない。歴史を知らない利権的政治屋に違いない。平和軍縮派の宇都宮徳馬に足を向けて眠れない読売の渡辺恒雄を知っている。宇都宮は「中国が日本の侵略戦争による恐ろしい日本軍の戦争犯罪の損害賠償を取らないと言ってきた。驚いた。これで日中正常化は実現する」と小躍りしたことを記憶している。

 

私事だが、小渕恵三が国盗りの相談を受けた際、真っ先に「北京に行きなさい。北京を知らずして首相は務まらない」と進言した。彼はそれを実行した。北京の人民大講堂で、当時副主席の胡錦濤が、筆者の書いた「中国の大警告」翻訳本を手に取って「本澤二郎先生の書いたこの本に中国人民の思いがすべて書いてあります。しっかり読んでください」。彼はその後に、盧溝橋の抗日戦争記念館近くに大きな森林公園を造った。護憲リベラルの真髄は「寛容」にある。極右にはこれが全くない。福田康夫や鳩山由紀夫にはある。ちなみに、読売の渡辺の前任者の多田実政治部長は、国交正常化前に中国を訪問した親中派ジャーナリストだった。彼も千葉県民だ。硫黄島生き残りの学徒兵だった。

歴史を知る者は、中国大使の発言を理解できる。安倍・清和会の森喜朗・萩生田光一・高市早苗らは歴史を知らない。いまだに皇国史観に毒されている。「中国の大警告」を読んでもらいたい。

2024年5月24日記(茅野村の憲法仙人・日本記者クラブ会員・やくざ暴力団追放国民会議)

 

追記 脅しの空の缶詰め缶が昨日、駐車場でまた見つけた。2個目だ。缶詰にされてたまるか!