透析治療中の方の30~40%はサルコペニア・フレイル | 腎臓内科医のつぶやき

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気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

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透析治療中の方の30~40%程度では筋力が低下したり、日常生活に支障が出ている状態とされています
この頃耳にする『サルコペニア』『フレイル』の状態だと言われているんです
 
 
 
その原因として、透析治療中にたんぱく質が抜けてしまうことが一番に挙げられます

なんと1回の透析でたんぱく質11~13gが抜けてしまうんですよ叫び

 

 

 

 

 

 

これはしっかり食べないと容易に栄養失調になってしまいそうですねあせる

他にもCRPが0.08mg/dl以上の方では体のたんぱく質が壊れていってしまいやすいので、これも拍車をかけていそうですえーん

Serpil MD,et al;JCI insight.2017;2(22) :e95185

 

 

 

 

 

 

あと頻度が高いのは運動不足です
血液透析1回4時間週3回だと、週に最低12時間も動かない時間ができてしまうので、よっぽど意識して動かないと筋肉は落ちていってしまいますショボーン
 
 
 
 
運動療法については別に機会にご紹介します
今日は筋肉量を減らさないための食事について触れたいと思います
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
以前から何度かお話しているのでまたかと思われるかもしれませんがあせる
筋肉を維持するために必要なエネルギーは、標準体重あたり30~35kcal、たんぱく質1~1.3gとされています
では、末期腎不全の方が必要な分しっかり食べられているかどうかをみてみましょう
 
 
 
 
 
 
目標エネルギーを確保できている方は23.1%たんぱく質を確保できている方は45.5%脂質を確保できている方は41.4%しかいませんでした
 
 
 
水分や塩分、カリウムやリンの制限を守れている方が60%以上いらっしゃるのから考えると、制限を優先とすることで食べる量が少なくなっていることがわかります
ちなみに水分制限68.5%、減塩61.4%、カリウム制限85.6%、リン制限79.8%の実行率でした!!
Lambert K,et al;Nephrology;2017;(18)1:318
 
 
 
 
 
 
 
日本透析医学会の『サルコペニア・フレイルを合併した透析期CKDの食事療法』をみると、十分なエネルギーが摂取できていればたんぱく質0.9~1.2g(標準体重あたり)で筋肉量を維持できると報告されています(高齢ではない方、糖尿病がない方に限る)
 
 
多く食べるとリンが上がるから・・・・・・と食事摂取量upに後ろ向きの方も少なくありませんが、栄養士・主治医とともに食事を見直すと、栄養状態が改善し体が軽くなり貧血が良くなったりなど体調の改善を実感できることが多いのも事実ですおねがい
しっかり食べることで貧血の注射がいらなくなったり大幅に投与量が減る方が多いですウインク
 
 
 
なんでもいいから食べるというのとまた違いますが、たまには栄養士と主治医と相談しつつ、日々の食事を見直すのもいいのではないでしょうかドキドキ
 
 
 

 

 

 

 

星日高病院腎臓病教室youtube星

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただいて

ありがとうございました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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