そっと彼女の手を取り、無言で歩き出す。
彼女も、どこにとは言わなくても行き着く先は分かっていただろう。否定の言葉も嫌がる素振りも見せずただ黙って着いてくる。
10分くらい歩いただろうか。目的の場所についた。
そう、そこはラブホテルだ。手を引いたまま無言で入り口を潜る。空いている部屋を確認し、宿泊のボタンを押す。料金の清算を終え、部屋へと向かう。
この間、お互いに一言も発しなかった。
どんな部屋だったかは、今となってはうろ覚えだ。そんなに広くはなかったと記憶している。
荷物を下ろし、備え付けのソファーに二人で並んで座った。手は繋いだままだった。少しだけ自分が手の平に汗を書いていた事が気になった。
そっと手を離し、部屋においてあった冷蔵庫を開け、私は彼女に問いかけた。
「何か飲む?」
こちらを向きながら彼女は、首を横に振り答えた。
「大丈夫、それよりも話しておかないといけないことがある。」
緊張した面持ちで、そういう彼女にこれから何を言われるのだろうと不安に思った。
