人生はワンツーパンチ -7ページ目

人生はワンツーパンチ

過去を振り返るのは好きじゃない。
「365歩のマーチ」のように潔くありたい。

最初に受診したのは、年末休み前の町医者の産婦人科。
60歳代くらいの男性医師。

エコーをかけてすぐ言われたのが

「なんでこんなになるまでほっておいたの?ガン検診とかしてないの?」

蔑むような呆れたようなキツイ言い方をされた。(ネット評判通りの医者だなぁ…)

ほっておいたわけではない、シコリに気付いてアレヨアレヨとお腹が膨れてきたんだ。年末年始休みが無ければ仕事を残業してまでやらずに済んだし、父が怪我をしてなければ…。

他の為に自分を犠牲にしてきた事が、こんな言い方される事に呆然とした。

    医者は、私の身体を心配し、厳しい事を言ってやらないと危機感を感じない患者だと思われてるのだろうか?

様々な思いが医者の言葉から感じる。

「これは、お正月明け早々大変な事になりますよー」

「え?どういう」

「手術で摘出でしょうなー、卵巣腫瘍がこんなに大きいもの、今まで見たことないわ!よー、こんなになるまでほってたわ」

「でも、シコリ感じたのは、つい5日前です」

「これはもっと前からあったはず。
5日程度でこんな大きくならないですからね!ここでは手に負えないから、大学病院に行って診て貰って。病院…紹介できる大学病院が二件あるけど、どっちにする?」

こんなは横柄な言い方する医者の世話になりたくないと思った。

別の病院の名前を挙げると、
「そこには知り合いが居ないから紹介状は書くけど、早く診てもらえるかわかりませんよ。この二件なら、今日先方にFAX流して予約取れるけど、取れても早くて手術は来年の中旬かな?他なら、いつになるかさえ…診察も年明けになるでしょ、明日からどこも休みに入るから」

と言われた。

もう、それでもいい、この人の世話になりたくない。

「私の腫瘍…悪性なんですか?」
やっと言えたけど、
「それもここで診ても二度手間になるでしょ、病院の方で精密検査受けられた方がいいですね。」

それは当然だと思った。

とりあえず帰宅。

夫には、なぜ医者が紹介できる病院にしなかったんだと叱責された。

私はもうどうせ入院、手術になるならナースをしている娘のそばにいたいと思ったそれだけの事だった。

夫の言葉に、慌てて病院に電話しようとすると、
「今更言ってももう、遅いやろ!」
とも言われるし。
妊婦状態の膨れの不安と夫の言葉と自分の判断が甘えだったのかと、頭の中はパニック状態で途方に暮れた。

ふと思いついた医療関係に携わる知人に電話して相談してみた。
    すると私の判断は間違ってなかった事を知る。(詳細は書けないが)

娘が職場で私の話をしてくれ、それがキッカケで診てもらえる事になった。

年末救急外来で受信し、CT検診を受ける。当直医は研修医の若い女性。愛想のないキツイ目つきでぶっきらぼうな顔は、夜勤明けの疲れからだろうか…。あまり良い印象ではなかった。

「暫く待合でお待ちください」
冷たくかんじる。

長い時間を経て呼ばれる。
付いて来てくれたのは長女で、夫は車の中で待つと駐車場へ戻って行った。


研修医が蒼ざめた顔をしていて、そこから私の病状はよからぬ状態である事を察知した。

彼女の上司である男性医師から病状の説明があると伝えられた。その医師の診察を終え、説明を受けた。



願い続けた良性の卵巣腫瘍ではなく、悪性腫瘍である事にショックを受けた。

突然告知されるんだ

そこに驚いた。女医の顔色で察したものの、言葉で突然言われるのには戸惑う。
逃げ場のない現実

卵巣腫瘍の場合は、摘出してみなければ腫瘍の進み具合も分からないものだと知らされる。

チラチラと私の顔を見られる。

ここで私は何を思うかと言うと、

この人達に心配掛けたくないという気持ち。

自分を宥める気持ち。

「震災に遭った人達の事、突然生命を奪われた被害者達の無念さ。彼らの無念さに比べればまだ時間は与えられてる」

医師の説明を聞くよりも、自分を前向きに前向きにもってゆこうとする気持ちだけに神経が集中されていた。

車に戻り、夫に報告。

覚悟してたかもしれないけど、かなりショックを受けていた様子。

お正月明けて7日、8日と術前検査を受け入院日未定のまま家で待機していたのが、去年の今日。