エア湖その神秘なる世界 | Jinのきままなるツーリンング日記

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2014年世界一周ツーリングをめざして切磋琢磨の日々を記録

私が行こうとしているWiliam Creakという町の南東7kmにエア湖に通じる
道路がある。

エア湖の面積は9,700km2、オーストラリア大陸最大の湖であり、青森県の面積
に匹敵する。長さ144km、幅77km、ゴイダー海峡 Goyder Channelという狭い水路
を境に北をレーク・エア・ノース Lake Eyer North、南をレーク・エア・サウス
Lake Eyer Southと呼ぶ。
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通常は、乾いた湖底を熱風に曝しているが、エア湖に注ぐ川の流域(クイーンズ
ランド中西部)に降雨があると、湖に水が流れ込む。

なぜ、大陸の真ん中に水が集まるのか?

それは、エア湖のできる一帯が、鍋底のようにへこんでいるからである。海抜は
マイナス15m。
大雨とともに、周辺一帯の水が、この地域に流れ込み、その結果、巨大湖が出現する。

いつもは極度に乾燥しているというエア湖一帯は、通常、塩が堆積した状態である。

そこに大量の水が流れ込むことで、塩の中で命を保っていた「動物プランクトン
(アルテミア)の卵」が、ここぞとばかりに、一斉に孵化する。10年ぶりの目覚
めである。
そして、この大量発生したプランクトンを目当てに、小魚たちも大量に群がってくる。
さらに、その小魚たちを狙って、水鳥たちがオーストラリア全土から集結する。

オーストラリアに生息する「ペリカン」たちも、シドニー沿岸から、はるか1,500km
を旅して、この「10年に一度」の湖へと大集合する。

こうした旅の記憶は、DNAにでも刻まれているのであろう。
ペリカンが一斉に大旅行に飛び立つときには、エア湖に水は一滴もない。

ところが、1,500kmに及ぶ大飛行の途中、10年に一度の大雨が降り、エア湖に着くころ
には、水が満ち、魚がウヨウヨと泳ぐ湖ができあがっている。

しかし、エア湖の水は、はかなくも消え去る運命にある。
エア湖に水があるうちに子育てを終えなければ、ヒナとともに帰ることはできない。
求愛に手間取ったり、産卵が遅れたりしたヒナは、シドニーまで一緒に帰ることができ
なくなるのだ。
出典:wildlife

神秘に満ちた世界である。