以前、相続財産がマイナスの場合は相続放棄を検討した方が良いと書いたと思います。
ただ、マイナスかどうかの判断は慎重にしなければなりません。
親族が亡くなり、債権者から督促が届くようになったので相続放棄をしたいとのご相談はよくあるところです。
督促の相手方には銀行だけでなく、消費者金融や信販会社が数社含まれていることもあります。督促状が届いたところはもちろんのことそれ以外の消費者金融にも調査をかけると、過去に完済した取引なども判明し、結局過払金の方が借金よりはるかに多かったという事案も結構あります。消費者金融と取引をされている方の多くは、一社だけでなく複数の会社と取引しているケースが多いように思います。
督促の額面だけで早計に相続放棄してしまうと、上記のような過払を見落としてしまうこともあるでしょう。
相続放棄すべきか否か、判断が難しいケースは、専門家への相談をお勧めします。
先日の台風15号は強力でしたね。都城でもあちこちで被害が出ているようです。そこで台風による損害と賠償責任について触れてみたいと思います。例えば、「今回の台風で隣の家の瓦が飛んできてうちの車がへこんでしまった、お隣さんに修理代を請求できますか?」というケース。
このケースで賠償を請求する根拠となりうるのは、工作物責任(民法717条)です。
通常、他人に損害賠償を請求するケースで根拠となるのは不法行為(民法709条)です。しかし、不法行為に基づき損害の賠償を他人に求めるには、相手方の故意又は過失と損害との因果関係が要件となりますが、原則として台風などの自然災害においては過失がないと考えられます。したがって不法行為による損害賠償を求めることは難しいと思います。(※ただし、建物の管理があまりにも杜撰で、ちょっとの強風で倒れそうな建物を、台風により損害が発生することを認識しながら放置したような場合であれば不法行為上の過失が認定される可能性はあるかもしれません。)
そこで工作物責任ですが、建物が通常であれば有しているべき機能や安全性を欠いていることにより損害が生じたと認められるのであれば賠償請求が認められる可能性があります。例えば、建物が老朽化により瓦が一部はがれていたとか、壁板が普段から風でパタパタ揺れていたというような場合は、通常の安全性を欠いていると言えるでしょう。占有者や所有者の過失を要件としませんので、不法行為よりは認められる可能性が高いと言えます。この場合は、一次的に占有者(実際に建物を使用している人)、二次的に所有者に賠償を請求することになります。
いずれにしても、被害者が法的に損害賠償を求めるためには、被害者側が証拠を集めて工作物責任の要件を証明しなければなりません。つまり、通常有すべき安全性を欠いていた→だから台風で瓦が飛んだ→車にあたった→へこんだ、この一連を証明しないといけないということです。これは、非常に大変なことです。司法書士や弁護士に依頼する費用などを考えても、例のようなケースで実際に裁判により損害の賠償を求めることは困難でしょう。
お隣さん同士ですから、その後の関係を考えると、占有者又は所有者側がいくらかの負担を申し出てあげることが一番現実的で公平な解決方法であるように思います。
※建物や車の被害は、それぞれが契約されている保険で賄えることも少なくないので、ご自身の契約内容を一度ご確認されることをお勧めします。
司法書士・行政書士 野﨑 圭
このケースで賠償を請求する根拠となりうるのは、工作物責任(民法717条)です。
通常、他人に損害賠償を請求するケースで根拠となるのは不法行為(民法709条)です。しかし、不法行為に基づき損害の賠償を他人に求めるには、相手方の故意又は過失と損害との因果関係が要件となりますが、原則として台風などの自然災害においては過失がないと考えられます。したがって不法行為による損害賠償を求めることは難しいと思います。(※ただし、建物の管理があまりにも杜撰で、ちょっとの強風で倒れそうな建物を、台風により損害が発生することを認識しながら放置したような場合であれば不法行為上の過失が認定される可能性はあるかもしれません。)
そこで工作物責任ですが、建物が通常であれば有しているべき機能や安全性を欠いていることにより損害が生じたと認められるのであれば賠償請求が認められる可能性があります。例えば、建物が老朽化により瓦が一部はがれていたとか、壁板が普段から風でパタパタ揺れていたというような場合は、通常の安全性を欠いていると言えるでしょう。占有者や所有者の過失を要件としませんので、不法行為よりは認められる可能性が高いと言えます。この場合は、一次的に占有者(実際に建物を使用している人)、二次的に所有者に賠償を請求することになります。
いずれにしても、被害者が法的に損害賠償を求めるためには、被害者側が証拠を集めて工作物責任の要件を証明しなければなりません。つまり、通常有すべき安全性を欠いていた→だから台風で瓦が飛んだ→車にあたった→へこんだ、この一連を証明しないといけないということです。これは、非常に大変なことです。司法書士や弁護士に依頼する費用などを考えても、例のようなケースで実際に裁判により損害の賠償を求めることは困難でしょう。
お隣さん同士ですから、その後の関係を考えると、占有者又は所有者側がいくらかの負担を申し出てあげることが一番現実的で公平な解決方法であるように思います。
※建物や車の被害は、それぞれが契約されている保険で賄えることも少なくないので、ご自身の契約内容を一度ご確認されることをお勧めします。
司法書士・行政書士 野﨑 圭
個人経営や事業を廃業する小規模企業のうち、約5割の企業が後継者不在により廃業を余儀なくされているという現状(中小企業白書2013年度版)から、事業承継問題が近時クローズアップされています。事業承継がうまく進まず、多数の企業が廃業に至れば、築き上げた技術とともに雇用機会も喪失されてしまい、地元経済に深刻なダメージを与えることにもなりかねません。今までは親族が承継するケースがほとんどであったのが、親族内に適当な後継者を確保することが困難になってきていることも事業承継がうまく進まない理由ではないでしょうか。
[事業承継の方法]
事業承継とは、企業がそれまでに築き上げた様々な財産(ヒト・モノ・カネ・技術等)を次世代に引き継ぐことで、事業の安定継続をはかることですが、その方法には、誰が承継するのかといった観点から大きく以下の3つのパターンに分ける事ができると思います。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、共通して言えることは、時間が必要ということではないでしょうか。現経営者が考える後継者育成に必要な時間として、5割以上の経営者が5年から10年は必要と答えています(中小企業白書2006年度版)。
・親族内承継
メリット ・社内外の関係者との関係を壊すおそれが比較的少ない。
・後継者選定が容易で、準備期間を確保しやすい。
・事業の出資者と経営者の分離・衝突を避けやすい。
デメリット ・親族内に能力と意欲を備えた適当な人材がいるとは限らない。
・複数の相続人がいる場合、株式や事業用資産の相続でトラブルに発展する可能性がある。
・親族外承継(従業員)
メリット ・候補者を確保しやすい。
・技術や知的財産の承継がスムーズにできる。
デメリット ・親族内承継と比較すると、社内外の関係者との関係を壊すおそれがある。
・後継者が経営を承継するための資金(株式の買取、保証債務の承継等)力がない場合が想定される。
・親族外承継(第三者)
メリット ・親族や従業員に適当な人材が確保できない場合でも、候補者を広く外部に求めることができる。
・事業承継による利益(株式や資産の売却等)を現経営者が獲得できる。
デメリット ・事業の引継ぎや雇用の継続等について現経営者が考える条件を満たす買手を探さなければならない。
[事業承継の方法]
事業承継とは、企業がそれまでに築き上げた様々な財産(ヒト・モノ・カネ・技術等)を次世代に引き継ぐことで、事業の安定継続をはかることですが、その方法には、誰が承継するのかといった観点から大きく以下の3つのパターンに分ける事ができると思います。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、共通して言えることは、時間が必要ということではないでしょうか。現経営者が考える後継者育成に必要な時間として、5割以上の経営者が5年から10年は必要と答えています(中小企業白書2006年度版)。
・親族内承継
メリット ・社内外の関係者との関係を壊すおそれが比較的少ない。
・後継者選定が容易で、準備期間を確保しやすい。
・事業の出資者と経営者の分離・衝突を避けやすい。
デメリット ・親族内に能力と意欲を備えた適当な人材がいるとは限らない。
・複数の相続人がいる場合、株式や事業用資産の相続でトラブルに発展する可能性がある。
・親族外承継(従業員)
メリット ・候補者を確保しやすい。
・技術や知的財産の承継がスムーズにできる。
デメリット ・親族内承継と比較すると、社内外の関係者との関係を壊すおそれがある。
・後継者が経営を承継するための資金(株式の買取、保証債務の承継等)力がない場合が想定される。
・親族外承継(第三者)
メリット ・親族や従業員に適当な人材が確保できない場合でも、候補者を広く外部に求めることができる。
・事業承継による利益(株式や資産の売却等)を現経営者が獲得できる。
デメリット ・事業の引継ぎや雇用の継続等について現経営者が考える条件を満たす買手を探さなければならない。