ブログネタ：今までにやったことがあるイタズラは？【Amazonギフト券が当たる】
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ハロウィン、10月最終日
翌月には俺の誕生月の12月
春に知り合ってから付き合い始めた彼女
俺は昼の仕事で、彼女はキャバクラで働いてた
すれ違う時が多かったけどお互いの家で週末に遊んだりしてた
今月、あまり会えてないな・・・
俺の仕事が忙しい事もあり、平日はきつかった
！！！
もうすぐハロウィンだ！
驚かしてやろう！
ドン・キホーテに行き、おどろおどろしいマスクを購入
13日の金曜日のジェイソンマスク、それとセットのゴム製の斧
彼女が帰ってくるのは深夜の1時過ぎ
合いカギで部屋に入り帰りを待つ
作戦はこうだ
1】クローゼットに隠れる
2】彼女が着替えようとするところに
3】バラの花束をもって「わぁっー！」と飛び出す
冷静な彼女だから驚かないかもしれない
でもバラが好きでドレスもバラにしていると言っていた
仮に怒ったとしてもバラの花束で許してくれるだろう
ちょっとバラが高くついたが良しとしよう
ジェイソンの格好のままクローゼットに隠れる
ちょっと狭い
・・・・・・
遅いな
一時を過ぎても帰ってこない
なんかあったのかな？
出直すか？
いや、でも花がしおれちゃうとかないかな？
花だけ置いて帰るか、いや、高かったし
・・・・・・
眠い
明日も仕事だし、帰るかな
ぬ
来た、帰ってきた
無駄に心臓が高鳴った
どのタイミングがベストか
まず、帰って来てから彼女は何をするだろう？
テレビを付けるだろうか？
化粧を落とすだろうか？
クローゼットを開けることがあるかもしれない、そのタイミングまで待つのもいいだろう
自分で飛び出すよりいいかもしれない
部屋のドアが開いた
「おい、灰皿」
！！！
男？
「はい、これ」
灰皿をガラステーブルに置く音が聞こえた
誰？
クローゼットの隙間は下向きで真下しか見えない
「ビール」
野太い
低いしがれた声、おっさん？
俺はマスクを横にずらし、斧を口に咥え、破裂しそうな心臓を抑えながら
ちょっとだけ、慎重に隙間を作り覗いた
単髪のヤクザだ、絶対にヤクザ
間違いなくヤクザ、どっからどう見てもヤクザだ
いかつい・・・、尋常じゃないヤクザがいる
キーンって音がした
デュポンだ、絶対にデュポンだ
斧を手に持ち、マスクを直した
どうしてこうなった？
お父さん？
時間的に無理があるだろ、お父さんじゃねーよ
パパとかの部類か？
「シャワーする」
「おう」
おいおいおいおいおい
ヤクザはビールを飲みながらテレビを付けた
俺は固まっていた
ちょっとでも動けばバラの花を包んでいる透明のビニールがガザガサ音をたてる
動けない
怒りとかそんなものは全くない
なぜならそんな人間的な感情を凌駕するほどの圧倒的なヤクザだ
仮にだ、200％ないだろが・・・
この男がお父さんであるなら10％くらいはチャンスがあるだろう
だが違うと言っている、俺の本能が人生史上最大に反応している
命の危険を感じている
歯を食いしばる
食いしばっていないと震えてガタガタ音がしてしまう
何分過ぎたのかわからない
か、彼女がシャワーから出て来た
「洋服かたせよ」
！！！
ちょ
「後で片す、うるさいなぁー」
酔ってるっぽい
「飲むか？」
「いらない」
シャワー・・・
シャワーに入ってくれ、ヤクザ様、シャワーに入ってください！
俺はその間にそっと出て彼女にしっー！って指をたてて
何も言うな！何も言うな！と出ていく！
彼女が何か用があるなら連絡してくればいい
と に か く
今すぐここから逃げ出したい！
絶対に殺される予感しかない！
早くシャワーに行ってくれ！
「あれ」
「クローゼット」
は？
「なによぉー、自分で取ってよぉー」
寝間着？パジャマ？
これか？このバスローブみたいな、これだよな、絶対これ
だって俺も着たもんこれ・・・、ヤクザのだったのか
ダメだ、どうやっても隠れることは出来ない
投げちゃうか、バスローブ投げちゃうか
投げないだろ
いや、ワンチャンある、彼女が取るんだ、俺がいてもワンチャン驚くかもしれないけど
うまくしてくれるかもしれない
汗が凄い、したたり落ちてくる
「取れよ」
彼女が近づいてきた
いきなりガバァッ！と全開にしなきゃワンチャンある！
クローゼットがスッと開いた
頼む、俺を救ってくれ、頼む
機転を気かしてくれ、ローブだけ取って静かにクローゼットを閉めてくれ・・・！
俺はニコッと微笑んだ
頼む・・・
一瞬、真顔になる彼女
「きゃぁぁぁぁああああああああ！」
ぶっ倒れる彼女
マスクの中で微笑む俺
「うぐおぁぁぁぁぁー！」
バラをヤクザに投げつけた！
「なんだぁぁぁ！」
もんどりうってひっくりかえるヤクザ！
俺は全力で玄関まで走り、そのまま全力で走った
どのくらい走ったかは覚えていない
足の裏から血が出てた
靴、クローゼットに置いてきちゃった・・・
タクシーが止まらない
ちょっと冷静になって思った
マスクの男が斧を片手に空高く掲げても
跳ね飛ばす事はあっても、乗せようとは思わないな
マスクを捨て、斧を投げ捨てタクシーを拾って帰った
翌日、彼女が家に合いカギを置きに来た
・・・・・・
「ごべんなざい」
鼻折れてた
「ご、ごめんなさい」
俺も合いカギを渡した
12月24日
予約していたホールケーキの半分を食べて寝た
喰えねーよ、こんなに
ハロウィン特別企画 ゴーストからの挑戦状
