失敗は成功のもと・・・(;´・ω・) 半自動溶接編 | 溶接マン WELDING

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溶接の基礎知識・技術そして魅力

 ども、久々の更新。

結構、溶接に関しての技術・知識を日々語ってきたワタクシですが、

まだまだ溶接工としては若輩者でしたな・・・

 

最近、溶接の知識や技術においての正しい方法や理解しておくべきことなど

改めて気づくシーンが多々あるのである。

とりあえず、半自動溶接(炭酸ガスアーク溶接)での作業においての失敗談。

 

すみ肉の溶接法が多用される板金溶接。

自分の仕事もほぼこればっかりなのは間違いない。

すみ肉といっても、トーチの操作や向き、進み方によっては

ビード形状が違ったものになる。

おおよそは理解していたつもりだが、頭で理解しているのと

実際にやってみるとで大違いなこともある。

 

図で示す通り、自分は赤い→の方向で後退して溶接していく後退法ですみ肉することが多い。

その方が溶け込みが深いからである。

 

トーチ角度は横から見て約45度で

縦方向から見て、真っすぐで左右どちらにも傾けない。

ワイヤ突き出し長さ10mm程度。

 

この方法だと比較的良いビード形状が得られるので

基本的にはこのトーチ向きを意識してすみ肉していくことを心掛けたい。

(溶融池のプールをよく見て、ビード形状がどのようになっているか確認しながら溶接することが大事)

やはり、このようなビード形状が誰しも理想としているだろう。

 

しかし、場合によってはこのトーチ向きで出来ないときもあるし

横着して楽なトーチ向きでしてしまうときもある。

 

 

写真は縦方向から見て溶接進行方向に大分傾けた状態で

トーチの先端を角に当てて引きずり、溶接ビードを

引っ張っていく溶接方法だが、これだと溶接ビードが膨らんで

理想的なビードが得られない。

 

こんなような形状になってしまう。

これだとビード付け根が若干オーバーラップ気味になってるような見た目だし、

形状がキレイとは言い難い。

 

縦向きの時も、トーチ向きでビード形状が大分変ってくる。

写真は下進方向で溶接するが、トーチを下に傾けている。

この状態で下進法で溶接するとビード形状が垂れにくいし

溶接金属の馴染み方も良い。

 

逆にトーチを上に傾けて下進ほうで進むと垂れ気味になるし、

先ほどのようなオーバーラップ気味の形状になっている感じは否めない。

 

これは頭でわかっていても、溶接材料の形状によっては

ついつい横着してやりやすいトーチ向きにしたり、進行方向を変えたり

してしまう。

 

本溶接は失敗は許されない。

失敗した後の手直しが余計時間・工数がかかり、

その分の無駄なコストが上乗せされるからだ。

 

なので良いビード形状の溶接を心掛けるための溶接方法を

何回も繰り返し、身体に染み込ませておいたほうがいいと思う。

 

溶融池(プール形状)をよく見ること。

見えないのに勘を頼りに溶接しない。

 

トーチの先端はつねにキレイにしておく。

スパッタなどが付着しているとアークが安定しないときがあるからだ。

 

溶接する前にワイヤ突き出し長さ、先端のカットを忘れずに行う。

 

進行方向、トーチ向き、角度、アーク長など細かいことにも気をくばり

細心の注意を払いながら本溶接に挑むことが大切だと

改めて認識しました。

 

次回からは完璧な溶接を!!

ではでは~(^▽^)/