今まではステンレスの材料で直流TIG溶接してましたが、
今回は交流TIG溶接をやってみました。
アルミはステンレスに比べて、難易度が高いです。
ステンレスなどの鉄系と比べて熱伝導率が高い為、
熱がどんどん周りへと逃げていき、溶接前半は若干プール形成しにくいです。
でも、融点自体は鉄系と比べて低いので、溶接後半は母材が熱を持つため、
素早く溶けてしまいます。
なので、前半はゆっくり、後半は素早くトーチを動かす必要があります。
「一定の動きじゃダメなんす」
母材の大きさ、形状によって、同じ板厚でも溶接電流を微調整しないといけない。
「え?どういうふうに調整するの?」って思ってる人もいるでしょうが・・・
実際にやってみないと個人のやりやすい設定はわかりません。
とにかく、アルミニウムは厄介っスね。
ま、これを仕事にしてる人は業界じゃ少ないと思うけど・・・・
ステンレスはナメ付けが結構多用されると思いますが、
アルミニウムは鉄系の金属と違って、溶けてもドロッとした粘り気を
持っている感じで、突合せで付けようにも互いが丸くなる一方で
なかなか一体化してくれません。
なかなかエキスパートな溶接技術ですな。
なんで、自分は仮付けでも、つねに棒を使用します。
TIG溶接じゃなく、半自動溶接でも可能ですが、(適切な調整が必要)
仕上がりを重視するなら、TIGですね。
設定は、まず交流溶接法にします。
AC波形は標準でクレータ無し。
電流は60Aにしました。
70Aだと溶けるの早いんで棒送りが追い付かないっす(-_-;)
って言われても棒送りは慣れないと難しいよね・・・(;´・ω・)
シールドガス流量は 5 l/m ぐらいです。
AC周波数は70HZにしました。(もっと上げればよかったかな・・・)
周波数を増加させると、ビード幅および溶け込み深さが増大し、
クリーニング幅は減少します。
先ほど言ったようにアルミは熱伝導が高いので、その影響で
溶接進行に伴ってのビード幅が広くなる現象があります。
しかし、交流周波数200HZの溶接だとビード幅の変化が
少ないようです。
「んじゃ、上げれよっ」って感じですよね(;´・ω・)
ちなみにビード形状におよぼす交流周波数の影響は以下の通りです。
でも、熟練者がやっての検証ですから、
初心者がやっても違いが分からないかも・・・・
違いが分かるまで練習してみることですね。
あとクリーニング作用ってなんだ?って思う人もいるかと。
自分もそうだった。
アルミニウムの表面は空気中の酸素との化合によって生じた
2000℃以上の高融点の酸化膜で覆われていて、単なるアークによる
加熱のみでは、この酸化膜が障害となって母材間の融合をさまたげ、
健全な溶接が行えないのでアークによるクリーニング作用の助けが必要になります。
クリーニング作用は、母材陰極の場合に限って生ずるのであって、
陽極側では生じません。その起こる範囲はアルゴンガスに十分に保護されている範囲です。
棒プラスアークでは,電子は母材よりタングステン電極に放出され,Arガスイオンは母材に向かう。
この場合,ガスイオンの母材への衝突と電子の放出によって母材表面の酸化膜が分解され清浄化される。
以上、設定はこんな感じで突合せ溶接してみました。
ステンレスと感覚が違うから難しいよね。
こんなもんでいいか・・・
練習に練習を重ねないとうまくならないが、
アルミをキレイに溶接できたら気分いいだろーな。
今日は以上です。
ではではまたね~♪