今日は手溶接の裏当て金無しN-2Fの溶接をやってみます。
まずは材料を用意して仮付けします。
一層目は低水素系・裏波溶接棒LB-52Uで裏波を出して、
二層目以降はライムチタニヤ系・ゼロード44の4mm棒を使用します。
4層仕上げで1層目と2層目は必ず電流計でアーク安定時の電流値を確認します。
2層目以降は2回転ずつ下げていけば電流計で確認しなくても
だいたい電流値はきてますね。
捨て金を用意して、ブラッシングでアークを安定させた後に
試験材料端に移動させて10mmほど仮付けします。
仮付け後はスラグを除去し、仮付け部を叩いてルートギャップを2mmぐらい開けます。
ちなみにルートフェイスは1.5mmぐらいです。
一層目走る準備として、低水素の裏波専用棒LB-52Uを使います。
あ、仮付けもこの棒でしました。
低水素系は引っつきやすいので一発でアークを安定させれるくらいまで
練習しておいたほうがいいですね。
で初心者の人はアーク安定するのに手こずるので、
捨て金も用意します。(安全装置内蔵なのでやりにくいんす)
捨て金でブラッシングしてアークを安定させた後、仮付け箇所からプールを先行させないように
かつ裏にアークが吹き抜けるようにゆっくり溶接していきます。
アーク長は1~2mm程度、または置き棒でもいけますが、裏波の出が少ないような気がするので
置き棒はしません。
速く走り過ぎてひっぱるのもよくありません。
プールにスラグが後からついてくるのを確認しながら裏がアーク吹きぬけによって明るくなっているのが
ベストです。
終点部が微妙だな・・・裏波はというと・・・
うーん・・・・微妙・・・
まあいいか。てなわけで、2層目以降はライムチタニヤ系のZ44(4mm棒)を使用します。
185Aぐらいに電流を調整します。
220Aぐらいに上げてアークを発生させると電流計で確認すればわかるのですが
アーク安定しているときの電流値は180A~190Aぐらいになってます。
うんちくですが、垂下特性の電源には、交流式と直流式があり、日本では交流式が多く使われてきました。従来の交流アーク溶接機は、可動鉄心方式と呼ばれ、漏洩用の鉄心を動かすことによりリアクタンス(漏洩磁束の量)を増減させて、外部特性を調整します。右の原理図に示すように、変圧用の一次コイルと二次コイルとが巻かれた主鉄心の間に漏洩用の可動鉄心があり、この可動鉄心をハンドルで移動することによって漏洩磁束の量、すなわちリアクタンスを増減して溶接電流を調整します。
この方式では、外部特性つまり溶接作業を行う二次側回路の負荷電流と負荷電圧の関係は、右図に示すように垂下特性となります。垂下特性の場合、図中の二つのアーク特性曲線で示すように、溶接作業中にアーク長が変化した時の電流変動が極めて小さくなります。この方式の溶接電源は構造が簡単で、可動部分が鉄心であることから、保守が容易であり耐久性にも優れています。難点は大型で重量も重くなることです。
ハンドルで可動鉄心移動で電流を調整するんですが、目盛の電流値の値と
実際にアークを出して安定させた時の電流値は30A~40Aの差があるんですよね。
ま、溶接機の電流値目盛はあんま当てにならないので電流計を確認しましょうってことです。
てことで、話がそれましたが、二層目はストリンガで一気に突っ走ります。
ただ始点終点部が溶け落ちてしまう可能性が高いので、
あらかじめプールをせき止めるための山を作っておきます。
二層目が終えたら、可動鉄心のハンドル2回転回せば
だいたい10Aぐらい下がる計算ですので、電流計の値は見ないです。
憶測ですが約170Aぐらいにきてるので、三層目突入っすね。
三層目は少し気持ちウィービングするぐらいで
開先を1mm~0.5mmぐらい残すことを意識して走ります。
そして、最後の仕上げの層が問題っすね。
始点で丸くプールを溜めて垂れる手前で止めてからウィービングしていきます。
溶接棒はなるべく立てて、スラグを棒先の後方につけたままプールで開先をかぶせていきます。
棒は4mmなので振ってもその倍の8mmまでです。
スラグを後に追いやると溶接ビードが乱れます。
当たり前ですが、プールが先行しちゃうのは論外ですのでご注意を(笑)
始点・終点が微妙ですが、試験では端の10mmほどは捨てるんで外観的に
問題なければOKです。
ちなみにプールをうまくかぶせていけばいいんですが、
プールで開先を溶かしてしまうとカットが出て、そこからひび割れにつながるんで
プールを溜めて開先をかぶせて、棒を下に振って、またプールを溜めて開先をかぶせてというように
ジグザグに進んで、うまくキレイなビードを形成できるよう何度も練習しましょう。
今日のところは以上です。
お疲れさまでした(*'▽')♪