偶然に満ちた世界で生きる意味
考えてみると、自分にとってかけがえのないものの多くが過去の偶
然から作られている。息子はたまたま受けた出産前検査から手術に
より幸いこの世に元気に生を受けた。今の仕事の充実も偶然の重な
りに助けられている。
得るべくして得たものだと錯覚しているが、大切なものが実は僅差
の偶然から生まれている。この事実を見つめ直すと薄氷の上に立っ
ている気分になる。
しかし、考え方を変えれば人生は未来の幸せの種になる偶然に満ち
溢れているということだ。自分は無数の幸せの可能性に囲まれてい
て、望めばいつでもそれを掴みにいけるということ。そう思うとワ
クワクする。今の幸福は過去の偶然と他力に感謝する、今の不幸は
未来を変える偶然に想いを巡らす。そういう気持ちで前に進むとい
うことではないか。
世の中の成功や幸福はこういった偶然を集める求心力とそれから何
かを掴む力(セレンディピティ)で作られている。色即是空の世界
から色を取り出すエネルギーみたいなものだ。人生は偶然と不条理
に満ちているが、そこから何かを見出して必然と条理を作り出して
いくのが生きている意味なのかもしれない。
そして、死ぬ時にはまた色即是空の世界に戻っていく。