サステナブルコミュニティーづくり講座2回目

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からのつづき


2008年6月10日(火)18:30~20:30
サスティナブル講座3回目
『ホリスティックな身体観・健康観とコミュニティ』

◆講師:

設楽清和(パーマカルチャーセンタージャパン代表)
安珠(あんじゅ)さん(ボディワーカー、アロマグルーヴ主宰、日本ホリスティック医学協会運営委員)

 今回は特に、専門用語や横文字が多く、私自身まだ充分理解しているともいいがたくて、説明しにくいのですが、私の言葉もまぜながら、レポートしてみたいと思います。

◆設楽さんのお話
『身体とコミュニティ』
 以前は身体は道具であったが、その役割は機械に譲ったのではないだろうか。
 現在は、身体は「投機の対象」となり、健康になるように、いろいろな薬や、食品、医療を施し、衣類や装飾品をまとって、健康になること、美しくすることが目的となっている。
 身体は、「自己表現の対象」となり、自分の身体を鍛えたり痩せたりして、身体を変化させ、表現するものとして使っているようにも思える。
 これからは、身体を自然のメッセージを受け取るセンサーにし、言葉の代わりのコミュニケーション媒体にするのがいいのではないだろうか。

◆安珠さんのお話
 『ホリスティックな身体観・健康観とコミュニティ』
 
 安珠さんは、12年前から、植物の香りが心や身体を癒すことに興味をもち、アロマテラピストになったそうです。

 その後エサレンボディーワークやパーマカルチャーを学ぶようになったそうです。
  安珠さんのサイト  http://www.aromagroove.jp/

 安珠さんは、旦那さんが末期ガンになったときに、お医者さんとの関係の希薄さなどから、西洋医学への不審が生まれたとおっしゃっていました。
 そこからの出発で、アロマにかかわり、自然療法のことを知るようになったそうです。




《ホリスティック》
 最近、「ホリスティック医学」という言葉を聞くようになりました。

 近代西洋医学の考え方よりも、バランス、持続性、適正に重きを置く度合いが高いようです。

 具体的な概念や価値観としては、このような対比ができます。

(1)機械論的パラダイム(デカルト的認識論、近代西洋医学、ダーウィン的進化論など)とは
 ・直線的因果関係
 ・知的、合理的、分析的、左脳的
 ・適者生存、生存競争、優勝劣敗
 ・膨張、拡大、無限の進歩
 ・自然/肉体の対象化、支配、手段視
 ・効率性、目的至上主義・大量生産、標準化、規格化


 それに対して、

(2)ホリスティック・パラダイム(量子力学、一般システム論、生態学、トランスパーソナル心理学など)とは
 ・因果の循環的連鎖、偶然性の関与
 ・直感的、イメージ的、美的、右脳的
 ・相互依存、共生進化、和合調和、調和の中の競争
 ・バランス、持続性、適正規模、相互限定
 ・自然/身体との対話・共生
 ・結果よりプロセス・手づくり、ユニークさ、個性

 疾病・医療の点からみると、
(1)機械論的パラダイム
 ・病因は特定可能な単一因子
 ・病位の特定、診断、症状の分類
 ・病因の除去、制御、加工・外科手術、投薬
(2)ホリスティック・パラダイム 
 ・精神や内外環境との総合的相互関係
 ・症状は全体的な不均衡の一表現
 ・自己自然治癒力、精神、イメージ重視
 ・治療者と患者との全人格的関係

※参考:吉田敦彦著『ホリスティック教育論』

 西洋医学は、死んだものを解剖してわかったことをベースにしている。

 ホリスティック・パラダイムは、生きているものをベースとしている。
 社会の仕組みがホリスティックな視点に基づいたものになれば、個々の価値観も変わるだろう。
 ホリスティックな感覚は、だれにでも感じることができる。

 その感覚を取り戻すことが、今の過渡期には重要なのではないか。

《ホリスティック医学の定義》
1.ホリスティック(全的)な健康観に立脚する
  人間を「体・心・気・霊性」などの有機的統合体ととらえ、社会・自然・宇宙との調和に基づく包括的、全体的な健康観に立脚する
2.自然治癒力を癒しの原点に
  生命が本来、自らのものとしてもっている「自然治癒力」を癒しの原点にき、この自然治癒力を高め、増強することを治癒の基本とする
3.患者が自ら癒し、治療者は援助する
  病気を癒す中心は患者であり、治療者はあくまでも援助者である。治療よりも養生、他者治療よりも自己療法が基本であり、ライフスタイルを改善して患者自身が「自ら癒す」姿勢が治療の基本となる。
4.様々な治療法を選択・統合し、もっとも適切な治療を行う
  西洋医学の利点を生かしながら、中国医学やインド医学など各国の伝統医学、心理療法、自然療法、栄養療法、手技療法、運動療法などの各種、代替療法を総合的、体系的に選択・統合し、もっとも適切な治療を行う。
5.病の深い意味に気づき、自己実現を目指す
  病や障害、老い、死といったものを単に否定的にとらえるのではなく、むしろその深い意味に気づき、生と死のプロセスの中で、より深い充足感のある自己実現をたえず目指していく。

《代替療法》
 ホリスティック医学に基づいた療法はたくさんあります。

 代替療法と呼ばれるものが、ここ数世紀ないがしろにされてきましたが、また広く浸透しはじめようとしています。
1.伝統医療
  中国医学、インド医学、チベット医学、イスラム医学、シャーマニズムなど
2.対抗的な医学体系
  ホメオパシー、オステオパシー、ナチュロパシー、シュタイナー医学など
3.民間療法
  各種食事療法、栄養補助食品、ハーブ療法、温泉療法など
4.心身相関療法
  心理療法、ボディワーク、手技療法、アロマテラピー、音楽療法、エネルギー療法など


※参考:上野圭一、CAMUnet著 『いま、なぜ代替療法なのか?』

《代替療法的な診断、治療の共通点》
*すべてではないが、共通して見られる傾向
1.体質論がある
  病気をみるのではなく、その人の個性や自然環境のとかかわりをみる
2.治療に自然のものを使う(自然療法的)
  薬草、鉱物、自然環境(森林、温泉)
3.目に見えない側面も考慮する
  気、エネルギー的なもの、霊的なもの

《日本の医療》
・日本の医師教育は機械論的なパラダイムに基づいていて、ホリスティックなとらえ方ができる医師は、まだ、少数派。
・効果に普遍性がないものは排除する。エビデンス(実証できる効果)重視。
・患者の依存。医療訴訟の増加。


 ボディワークのメソッドの一つである、フェルデンクライス・メソッドをつくった、フェルデンクライスさんは、次のようなことを発見しました。
・体の使い方がアンバランスだと、弱いところに負荷がかかり、痛みや不調となって現われる。
・『動き』というものは、赤ちゃんが1人で試行錯誤しながら学んでいくもの。大人もその学びをまね、すでに脳にインプットされているものを再プログラミングできる。


《ボディーワーク》
=身体を通して、何かに気づいていく。その気づきを促す教育

 身体を通して気づくためには、
・小さく動く
・ゆっくり動く
・つながりを感じる
ことをしてみてください。

 自分自身に、発見できる時間と空間を与えてあげてください。

 そう、おっしゃっていました。

 最後に10分ほどワークを行ないました。
 内容は、
 “椅子に座ったまま、尾てい骨がいすにあたっている感触を感じてみましょう。
 右足、左足をあげてみましょう。”
ということだけなのに、教わったワークをしたあと再び足をあげると、両足とも軽くなっていました。
 少し意識をするだけで、身体は変わるのだと気づかされ、びっくりしました。


ホリスティックな身体観・健康観 その2

http://ameblo.jp/jikyuujisoku/entry-10117724627.html

へつづく


(Mik)