"幸せ色"で描く再生の物語...柴咲コウ主演『食堂かたつむり』

料理を通して、成長していく女性の姿を描く『食堂かたつむり』柴咲コウ主演作『食堂かたつむり』(26日公開)は、観終った後心がほっこりするお勧め映画だ。好きな相手と両思いになりたい桃と、その相手サトルに作ったジュテームスープ
 彼女が扮するのは、愛する人にこっぴどく裏切られ、ショックで心因性失声症になったヒロイン・倫子。でも、そんな彼女が料理を通じて人と交流し、再生していく。劇中で幸せを象徴する色が「黄色」だ。
 声を失った倫子は、母の暮らす田舎へ戻り、「食堂かたつむり」という小さな食堂を始める。そこで彼女がふるまう料理が、食べた人に小さな奇跡を起こしていく。その過程で黄色が、彼女の前向きな心を表現する。


料理レシピをのぞき込む倫子。その表情はうれしそう

料理を通して、成長していく女性の姿を描く『食堂かたつむり』


 監督はCMディレクターとして活躍し、長編映画デビュー作『ウール100%』(2003)が高く評価された富永まい。演出面で色を重視した富永監督が、倫子のイメージカラーとして選んだのが黄色だ。"土着""祈り"がテーマになったユニークな衣装も、倫子が心を開いていく過程で黄色の割合が多くなっていく。
 また、本作のもうひとつの主役である料理にも、黄色がふんだんに使われている。レシピ本が黄色で、飲んだ人の恋が叶うというおいしそうな"ジュテームスープ"も黄色だ。黄色は大地の色だし、人間のエネルギーの源である太陽の色でもあるので大いに納得!
 観た後、きっと心地良い至福感に浸れる『食堂かたつむり』。もちろんお約束どおり、その後自分のお腹は美味なスープを求めてしまう。ぜひ、映画を観に行くときは、アフターで楽しむレストランも目星をつけておこう。

『食堂かたつむり』 [c]2010「食堂かたつむり」フィルムパートナーズ26()ロードショー

   倫子が同級生ミドリとその友人のために作ったいちじくのサンドイッチ

「食堂かたつむり」

小川糸のベストセラーを柴咲コウ主演で映画化。心因性失声性になった主人公が、愛情を込めた料理で幸せを呼び込む姿を描く。料理を作るシーンもすべて吹き替えな…

(公開日:201026日)
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柴咲コウがブタと一緒に“野菜カーペット”に登壇『食堂かたつむり』の柴咲コウ(中央)、余貴美子、ブラザートム。手前がブタのエルメス『食堂かたつむり』の柴咲コウ(中央)、 余貴美子、ブラザートム。手前がブタのエルメスブタも立派な共演者の一員だったらしい


柴咲コウ主演作『食堂かたつむり』(26日公開)の完成披露試写会が121日に東京国際フォーラムで開催。柴咲コウ、共演の余貴美子、ブラザートム、富永まい監督、劇中に登場するブタのエルメスが、映画にちなんでカラフルな野菜が敷き詰められた“野菜カーペット”に登壇した。
原作は、女性から絶大な支持を集めている小川糸の同名小説。失恋して声を失ったヒロイン倫子(柴咲)が、料理を作る事で人々を幸せにし、自分も癒されていくという人間ドラマだ。ブタのエルメスは、劇中で余貴美子扮する倫子のママ、ルリコのペットで、劇中でも重要な役割を務めているから注目して。村に住むお妾さんに用意した甘鯛のカルパッチョ
エルメスと共演した感想を聞かれた柴咲は、「ブタを飼ってみたいという人の気持ちが初めて分かる様になりました。想像していたよりも綺麗で繊細な動物だなと。癒されます」と笑顔で語った。「飼いたくなりましたか?」と尋ねられると、「(即答で)いや、それはないです。飼いたいという気持ちは分かるようになっただけです……」と苦笑い。正直でいい感じ!
愛嬌たっぷりだった、ブタのエルメス エルメスとの共演シーンが一番多かった余貴美子は、「エルメスは高いところが苦手で、爪のせいでフローリングが歩けないことが分かりました。撮影中にすごく困っていて、切ない気持ちになりました」と愛情たっぷりなコメントを披露。ブラザートムもブタについて、「凄く仲良くなりました。僕は一度ミニブタを飼おうとしたんですが、普通に大きくなるので飼ってはいけないと言われまして」と、ブタへの愛着を語った。また、瑞々しい野菜が並んだ“野菜カーペット”には、ゲスト陣も興味津々。そこでMCから、料理上手で料理を作るシーンも全て自分で演じたという柴咲に「この野菜で何か作っていただけるとしたらどんな料理を?」という質問が。柴咲は、「大根おろしでみぞれ鍋。それからトマトとニンジンでお味噌汁。合わせ味噌でかつお節を効かせると美味しいです」とスラスラとコメントし、料理好きな一面をアピールした。
本作を監督したのは、『ウール100%』(05)等で知られる若手クリエイター、富永まい。柴咲らの熱演はもとより、可愛いブタやいろんな野菜や果物等の名脇役の魅力も存分に引き出し、とびきりポップな感動作に仕上げたその手腕に拍手! きっと、観終わった後、美味しい料理が食べたくなる事請け合いのお勧め映画だ。

お客さま第1号となった熊さんのために作ったザクロカレー

食べてみたい!柴咲コウが作る、幸せになれる絶品料理の数々 

柴咲による絶品料理の数々をチェック!

小川糸の同名小説を映画化した『食堂かたつむり』(201026日公開)は、失恋によって声が出なくなってしまった柴咲コウ演じるヒロイン・倫子が、食堂「かたつむり」をオープンさせ、そこにやって来たお客さんを幸せにするという物語。また、長らく疎遠だった母親との、確執や絆も平行して描くヒューマンドラマとしても楽しむ事ができる作品だ。
倫子は、毎回メニューを用意せず、事前のやり取りからお客さんのイメージを膨らませて料理を作るという、ちょっと変わったキャラクター。彼女が作る、いちじくのサンドイッチやザクロカレー、ジュテームスープ等の品々は、どれもこれも美味しそうで目を奪われる。

桃とサトルに振る舞われたマカロン

劇中には、料理を作るシーンが幾度となく登場するが、これらは全て倫子を演じる柴咲コウによるものだというから驚き! 私生活でも、料理が得意という彼女の腕の見せどころだ。また、ほぼセリフがないという柴咲の演技にも注目したい。過去、テレビドラマ「オレンジデイズ」(TBS)で聴覚を失った女性を演じたが、今度は声を失うという役柄に挑戦。セリフがない分、それをどう表現してくれるか、彼女の演技力に期待がかかる。そして、女性なら見逃したくないのが倫子の衣装。今流行の“森ガール”といった具合の、やわらかい印象の洋服がとても可愛らしい。
料理は勿論、色々な角度から楽しめる『食堂かたつむり』。バレンタインデー時期の公開なので、料理を学びたい女性や、こんな一品が食べたいという男性陣も必見の1本だ。柴咲扮する倫子の母親ルリコを演じるのは余貴美子倫子のお手製料理レシピ。ここから幸せを呼び込む料理が誕生料理上手で本作の料理も吹き替えなしでトライしたという柴咲コウ
柴咲コウが作った恵方巻きと豚汁を余貴美子と富永まい監督が絶賛

柴咲コウは「家族関係がもうちょっと良くなるヒントになると思う」とPR柴咲コウは「家族関係がもうちょっと良くなるヒントになると思う」とPR
26日(土)から公開中の映画「食堂かたつむり」の完成披露試写会が131日に都内で行われ、出演者の柴咲コウ、余貴美子と、富永まい監督が舞台あいさつを行った。
本作は、小川糸氏の同名小説を映画化したもの。失恋のショックから心因性失声症になった倫子(柴咲)が、母・ルリコ(余)が暮らす田舎で11組だけ予約を受け付ける小さな食堂を始め、客に小さな奇跡を起こしていく物語だ。余貴美子の娘役を演じた柴咲は、実際にふたりが似ていると言われて嬉しかったとか
ステージでは、柴咲が料理教室に通う60人の生徒の前で恵方巻きと豚汁作りに挑戦。劇中の料理シーンはすべて自ら行い、私生活でも料理好きを公言する柴咲は、慣れた手さばきでテキパキと調理を開始。料理を食べた余と富永監督は「幸せな気持ちになる。おいしい」と絶賛した。
その後の舞台挨拶で、柴咲は劇中で描かれるすれ違いについて、「自分が本当に思っている事が相手に伝わらず、違った受け取られ方をされがちですが、それは相手にとっても同じで、相手もいろんな事を考えているけど、表現が下手で、こちら側が組取れていない事もある」と自身の思いを語った。余は「頭を高く盛り、濃すぎる化粧、頑張りました」と劇中のエキセントリックな役柄についてコメント。柴咲も「お母さんの女の部分を見て嫌だなって思う気持ちが自然に出てきました」と余の役作りを称賛。最後に「家族関係がもうちょっと良くなるヒントになると思うし、そういう見方をして貰えたら嬉しい」と作品の見所をアピールした。料理好きなだけあって、柴咲コウの手さばきは見事!余貴美子も「こんな娘がいたら」と、柴咲との共演を楽しんだとか
ブラザートムが太鼓判! 柴咲コウの“手”は“料理のうまい手”!?野菜がびっしりと敷き詰められた“野菜カーペット”の前でフォトセッション! 右が富永まい監督「原作を読んでいるうちに浮かんだことをそのまま映画で実現できた」と語った富永まい監督(写真右)。ほか、出演者のブラザートム、柴咲コウ、余貴美子(同左から)
26日(土)から公開される映画「食堂かたつむり」の完成披露試写会が21日、都内で開かれ、主演の柴咲コウ、余貴美子、ブラザートムと、富永まい監督が舞台あいさつを行った。
本作は、女性たちから圧倒的な支持を集め、ベストセラーとなった小川糸氏の同名小説を映画化したもの。失恋のショックで声を失った倫子(柴咲)が、自由奔放な母・ルリコ(余)と小さな食堂を始め、客の人生に小さな奇跡を起こしていく物語。
柴咲は、ブタと共演したことについて、「共演するまではブタを飼っている人の気持ちが分からなかったけど、今はすごく分かります。自分がイメージしていたよりも、きれいで繊細な動物ですごく癒やされました」とコメント。だが、“ブタを飼いたいか”と問われると、「飼わなくていいです」と即答し、会場を笑わせた。また、プライベートでも料理をするのが好きだという柴咲は、最近作ったものを聞かれ、「お正月に作ったおせちですね。かまぼこ以外作りました。よく作るのはトマトのみそ汁です。でも、自分だけのために作ってるので適当になっちゃいますね」と話すと、倫子を助ける熊さん役のブラザートムは「せっかくいい手をしてるんだから、いろんな人に作ってあげなさい。料理のうまい手ってあるんですよ。この人はうまい手をしている。だから大事にしなさい」とエールを送った。見どころについて柴咲は「この映画は、生きることは食べることというテーマで、一番大切なことは生きていることを実感することだなと思います。この映画を通じて教えてもらいました。製作費100億円とかではない素朴な映画なので、気負わず肩の力を抜いてゆったりした気持ちで見てもらえれば、わたしたちが伝えたいことが伝わると思います」とアピールした。
余は「わたしの役は、中年男性が整形手術をして女装した感じと原作に書いてあったので、一生懸命そうなるように頑張りました。でも頑張らなくてもそうなってました。こんなかわいい娘がいたらいいですよね。柴咲コウちゃんに見詰められると現場でドキドキしちゃいました」とうれしそうにコメント。
本作のオファーが来てから原作を読んだという富永監督は「アイデアをしぼり出すということがほとんどなくて、読んでいるうちに勝手に浮かんできたことを映画で実現できたのがとても楽しかったです」と満足そうに話した。







タイでの人身売買を描いた日本映画「闇の子供たち」が、あたかも実話のように宣伝していることに批判が出ている。タイでは、映画そのものも「イメージがよくない」として映画祭で上映中止に。映画のPR会社では、「身近にある問題と感じてほしかった」と説明している。
「人身売買の現実」とうたい誤解与える邦画「闇の子供たち」の公式サイト邦画「闇の子供たち」の公式サイト


公開中の邦画「闇の子供たち」は、主人公の新聞記者男性がNGOボランティア女性と協力して、タイでの幼児人身売買・売買春の実態に迫っていくというストーリー。「亡国のイージス」などで知られる阪本順治監督の作品で、江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡といった人気俳優が出演している。200882日の公開では、7館だけの上映だったが、その後102館にまで拡大する異例のヒット作になっている。

衝撃的なのは、その人身売買の中身だ。心臓手術でタイに行った日本人の少年が、タイ人の少女から生きたまま心臓の移植を受けるというのだ。

映画の原作は、梁石日さんの同名の小説。しかし、映画の公式サイトでは、実話のように紹介されている。「値札のついた命 これは『闇』に隠された真実の物語」「実際にタイのアンダーグラウンドで行われている幼児売買春、人身売買の現実」といったフレーズだ。また、動画サイト「ギャオ」では、「ノンフィクション映画」と、エキサイトのサイトなどでは、「ショッキングな真実」などとの解説もある。

さらに、阪本監督自身も、実話のようにインタビューに答えている。読売新聞の731日付記事では、「脚本化に先立つ現地調査で『フィクションではなく真実だと分かった』」としているのだ。

こうした映画の紹介に対して、2ちゃんねるなどネット上では、「事実と日本人への誤解を生む」と反発が出ている。さらに、タイでは、作品そのものも「イメージがよくない」などとして、923日に始まったバンコク国際映画祭で上映が中止に。「タイ国内で無許可撮影した」というのも理由だった。

「身近にある問題と感じてほしかった」


映画が「真実」「現実」なら、生きた子どもからの心臓移植に日本人が加担していることになる。そんなことは、本当にあるのか。

これについては、映画の取材協力者が明確に否定している。大阪大医学部付属病院の福嶌教偉医師は、日経ビジネスサイトの088811日付連載記事で、
「タイで、日本人が心臓移植を受けた例はない」
と明かす。

映画では、少年の母親が、命を金で買うことになる手術をNGOの女性から止めるよう言われ、「あなたは息子に死ねと言うのですか」と反論する。この言い方について、福嶌医師は、自らの体験からこう話す。
「僕としては、ちがう言い方をしてほしかった」
「心臓移植を受けようと思っている子供の両親が、よその子供を殺してまで自分の子供を助けたい、精神的にそう思っている人は、一人もいない」

心臓移植には、少なくともエキスパートが8人必要で、リスクが高すぎて儲けることは難しいとも言う。さらに、誤った情報を与えた結果、海外で移植を受けた子どもたちがしょく罪の意識を持つことが怖いとし、「その子供は自殺するかもしれない」との懸念も示している。

ネット上の批判や福嶌医師の危惧について、映画のPRをしている樂舎の担当者は、こう説明する。
「すべてフィクションとしてしまうと、ほかの国の関係ない話と受け取られる恐れがあると考えました。売買春は実際にあるため、身近にある問題として感じてほしかったことがあります。映画のラストシーンは、見ている人に跳ね返ってくるようなものにしています」

生きた子どもからの心臓移植については、「かなり極端な例で、そこはあくまで劇映画ということです」として、「作品は、ノンフィクションを強調しているわけではありません。国を告発するというのではなく、大人の醜さを描きたかったということです」と話している。

また、無許可撮影については、「現地の警察に協力をお願いし、許可を受けて行っています。事実関係が誤解されている部分があります」としている。なお、阪本監督は924日、上映中止を受けてタイで記者会見し、「残念の一言です。上映が成立し、タイ人の意見、批評、感想を聞きたかった」などと話した。闇の子供たち (幻冬舎文庫)
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滝川クリステルらが地球いきもの応援団を結成「応援団に任命されて嬉しい」と滝川さん
「中越地震を風化させたくないという思いから、地元・新潟で農業を始めた」という大桃さん「生まれ変わったら、ねずみになりたい。虫を食べて生きていきたい」と養老さん「生き物を守ることは、自分たちを守ること」と力強く話すさかなクン地球いきもの応援団の(左から)滝川クリステルさん、養老孟司さん、大桃美代子さん、さかなクンフリーキャスターの滝川クリステルさん、生物学者で東京大学名誉教授の養老孟司さんらが環境省の「地球いきもの応援団」に任命され、24日に都内で行われた宣言式に出席した。
 2010年は国連の定めた「国際生物多様性年」にあたり、また同年10月には「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」が日本で開かれる。地球いきもの応援団は、地球上の多様な動植物を保全する「生物多様性」という言葉や意味について、多くの人に知ってもらうために結成された。
 応援団に選ばれたことについて、滝川さんは「さまざまな分野の方とご一緒できるのは嬉しい。キャスターという立場を通して、わかりやすく生物多様性の重要さを伝えていきたい」と意気込みを話すと、養老さんは「これから春になって新緑を迎える。(生物多様性を)感覚で理解してほしい」と訴えた。
 古代米を無農薬で作っているというタレントの大桃美代子さんは、「田んぼに住む生き物の大切さ、地球に生きる者としての意識を高めていきます」と宣言。「無農薬の農業を始めて、田んぼに生き物がたくさん戻ってきた。たった1年でこれだけ変わるのかと実感した」と話した。
 おなじみの魚帽子をかぶって登場したさかなクンは、生まれ変わるなら何になりたいかと聞かれ、「新種の生き物になりたい」と回答。「魚じゃないの?」と質問されると、「僕が魚になったら、すぐに捕獲して食べられてしまうから」と笑顔をみせた。

ダウン症の子の成長記、続々本に

親の思いなどをつづる
 ダウン症の子どもたちの成長や親の思いなどをつづった本が、相次いで出版されている。そうした本で紹介される子どもたちの成長過程や表情は実に様々。医療の進歩などによって病気を乗り越え、能力を大きく開花させる人も増えている。親たちの書いた本を読むと、ダウン症に対する印象が変わり、親近感もわく。

 ダウン症は、染色体異常によって起きる先天性疾患。800~1000人に1人の割合で生まれると言われている。知的発達の遅れに加え、心臓や消化器に病気を抱えるケースが多い。「かつては医療技術が未熟で手術が遅れたり、失敗したりして亡くなる例が多かった。医療関係者の知識不足もあった」と、ダウン症の子どもを長年見守ってきた医師で、日本ダウン症協会理事の長谷川知子さんは話す。
 ところが、最近は医療の進歩などで寿命が延び、一般の子どもたちと同様に学校生活を楽しんだり、就職したりする人が増えている。そんな中、ダウン症の子どもたちの成長ぶりや愛らしさをつづった本を出版する親が相次いでいる。
 昨年12月に出た「ダウン症の藍は、愛」(石長孝二郎、石長恭子著、エスコアール、税別900円)は、長女、藍ちゃん(9)の誕生を、父親で管理栄養士の孝二郎さんが自作の詩で振り返っている。
 障害を持って生まれた我が子を受け止め切れないことへの戸惑いや、祝福されるはずの「誕生」が皆の言葉を失わせてしまった現実などを切々とつづった。詩からは「父親」として成長し、娘ときずなを深めていく様子がうかがえる。
 掲載詩は15編。母、恭子さんの手記「藍とともに」もあり、育児の難しさや喜びが母の視点からも描かれている。
 昨年末に出た「天使の正体~ダウン症の書家・金澤翔子の物語」(金澤泰子著、かまくら春秋社、税別2000円)は、5歳で筆を持ち、現在、書家として活躍する翔子さん(23)の人生を、母の泰子さんがまとめた。畳より大きな紙に筆を走らせる翔子さんの姿や作品は力強く、障害を乗り越えて才能を開花させた様子がわかる。百貨店で個展を開いた実績もあり、作品の熱心なファンも多いという。
 埼玉県内でダウン症の子どもの育児情報などを交換している母親グループ「チーム21」(さいたま市)は昨年、冊子「ママ達の写真展 ゆっくり育て!私達のたからもの」(送料込み500円)を作成した。ダウン症は、その影響で同じような顔立ちになると思われがち。しかし、実は親の顔と似ていて、喜怒哀楽の表情も多彩で豊かなことを、56人の子どもの写真を通して紹介した。「私をママに選んでくれてありがとう」といった、親のメッセージも心にしみてくる。
 日本ダウン症協会で相談業務などを行っている理事の千野千鶴子さんは「以前は、会報誌に子どもの写真を出すことを躊躇する親が多かったが、最近は自分の子どもを『見てほしい、知ってほしい』と考える親が増えている。情報や支援を受ける機会が増え、前向きに力強く生きる親子が多くなっていることが背景にあるのでしょう」と話している。


気になっていたシングルの性
 

  ブログに投稿しづらい方は、メール(iryou@yomiuri.com )で直接、ご意見送ってください、取材にご協力いただける方もこちらにお願いします、と前回のブログや発言小町でアドレスを紹介したところ、やはり送ってくださる方が何人もいらっしゃいました。
 ということは、逆に言えば、ブログには投稿しづらい何かがあるということ。できる限り改善したいと思っておりますが、色んな伝え方があってもいいですよね。手紙の方がしっくり来るという方、参考資料を送ってやろうじゃないかという太っ腹な方、(〒100・8055 読売新聞東京本社医療情報部 岩永直子宛)にもお願いします。
 
 直接メールを頂いた中から、興味深い意見をご紹介します。まずは、根本的な問題なのですが、「肝心の高齢者の方はパソコンができる方も少ないし、人前でセックスに関しての発言をすること自体おかしいし、レスをしてから議論をもちかけられるのも億劫、と思っていらっしゃるでしょう」という、50代男性からのご意見です。
 確かにそれもあるでしょうね。比較的若い方からの投稿が多いのは、パソコン利用年齢も影響しているのかなと思います。インターネットは一つの便利な手段ですが、ここで得られたご意見、情報をもとに紙面での展開も考えないと不親切ですね。
 それから、攻撃的な言葉遣いの投稿を読んで、投稿する気持ちが薄れたというメールも頂きました。ネットで必ずつきまとう問題ですね。性というデリケートな話題について、安心して語り合える場を作るのが目標ですから、読む人がどう受け止めるかお互い気をつけて書いていきましょうね。
 シングルの性についてはずっと気になっていたのですが、30歳代後半の女性から、「人生で1度も交際=男性経験がない」ことについても取りあげて欲しいというご意見がありました。
 「既婚者でレスの方々の悩みに心を痛めつつも、『一度は体験があったのだから、私よりましでは』という思いが拭えないのです。既婚者の方にしても、『全く異性に相手にされない』という悩みと、夫婦間のセックスレスは、全く別次元の悩みに映るのではと思います」と。
 それはその通りだろうなと思いました。男性であれば、賛否はともかく、性風俗に行くという手段がありますが、女性の場合はそれさえもほとんどない。そもそも、心の通い合わないセックス、恋愛関係の伴わないセックスに拒否感を持つ女性は多いですから、余計、シングル女性のセックスはますますハードルが高くなるような気がします。
 一方、男性でもよく「素人童貞」という言葉を聞きます。いわゆる風俗産業での性体験はあるが、お金を介さない、通常の人間関係の延長としての性体験がないことを指す言葉ですが、揶揄のニュアンスが入っているように思います。
 それにもちろん、風俗産業に抵抗感を持つ男性だっているでしょう。真剣に苦しんでいる方、実は多いのではないでしょうか。
 私も同じだ、という方、ここで思いをはき出してみませんか?解決法がすぐに見つからなくても、同じ悩みを抱えている人がいるとわかるだけで、少し心が軽くなるかもしれません。
 シングルの性については、まだ色々書きたいことがありますので、続きは次回に。

続・シングルの性について


 前回に引き続き、シングルの性についてです。
 以前から頂いているメールや手紙、ブログの投稿でも、触れ合いを求めるシングルの女性が多いのがずっと気になっていました。
 「夫と死別して丸7年、次の出会いの時、通らなくてはいけない大きな関門です。長い間忘れていたことが現実になる時、どのような心構えを持てばよいのか、知りたいと思いました。皆さんの体験談や、日々の生活、思いなどを知りたいです」(50歳代後半の女性)
 「40過ぎていまだ独身ですが、まだまだあきらめてはいけないのかなと思いました」(40歳代女性)
 「3年前に主人を亡くし、もう男性に抱かれることもない・・・? 一人寂しい夜。そんな方の性は?」(40歳代半ばの女性)
 こういう声が頭に残り、これまで、シングルの性が気になる理由として、何度か「独身、離婚、死別で、誰でもいつかはおひとりさまになる」というフレーズを書いた記憶があります。今、結婚してパートナーがいる人であっても他人事ではない、ということが書きたかったのですが、前回も紹介した30代後半のシングルの女性から、こんなご指摘を受けました。
 「性体験のない者として傷つく言葉として、『誰もがいつかはおひとりさま』『性体験がなくても恥ずかしいことではありません』という2大フレーズがあります。理由は、1度でも性の思い出がある人と、無い人を一緒にしてほしくない、ということと、恥ずかしいかどうかは本人が決めること、という思いです」
 過去に1度も性体験がない人と、過去に経験があったのに今は失われてしまった人と、どちらがよりつらい、ということは言えないと思うのですが、「シングルの性」とひとくくりにして、同じ悩みを持つ者のように書くのは無神経でしたね。申し訳なかったです。今後気をつけます。
 ただ、安心して出会える場が少ないことなど、共通する悩みもあるはずですね。互いの立場を思いやりながら、有意義な意見交換ができるといいなと思っています。
性の悩み、オープンに話せる場作りたい
  読者のお一人から、「スタンスが浮ついている」という批判のお言葉があったので、丁度いい機会ですから、このブログに対する私の立ち位置をお示ししておきますね。
 ご存じの通り、私は36歳で、高齢者世代ではありません。また、記者という立場で、取材した内容や、読んだ本、寄せられたご意見をもとに書いているので、当事者性は薄いでしょう。
 ただ、高齢者の性は、若いころからの積み重ねが影響すると思いますので、自分の問題として一緒に考えながら書いているということは確かです。腹をたてたり、感動したり、個人の感想をそのまま入れているので、客観的な文章でもないですね。
 途中からお読みになった方は、ぜひ最初の回を読んでいただきたい(記事はこちら )のですが、このブログを作ったそもそもの狙いは、性について悩んでいる人は多いのに、なかなか人には相談しづらい話題なので、オープンに話し合える場を作りたい、ということでした。
 私は情報提供もしますが、あくまでも読者の皆さんが語れる場作り、議論のきっかけ作りを意識して書いています(時折、自分の趣味に走ってしまいますが・・・それはご容赦を!)。
 30代、40代の方の投稿が多いのならば、その意味を受け止めたいですし、この場からはみ出して質問を投げかけてみた「発言小町」で、婚外のセックスについて興味深い意見があれば紹介して、こちらでも議論になればと思っています。シングルの方が書きづらいとおっしゃれば、何とか投稿しやすいような形にしたいと思います。
 つまり、皆さんのご意見や議論の流れで、どんどん思ってもみなかったような方向へ動かされていくようなブログにしたいのです。自身の意見にしても、最初の方で言っていたことと、今と違うじゃないか!と批判されたとしてもまったく動じないです。私自身も、たくさんの人の意見を聞いて、自分の視野を押し広げたいし、変わっていきたいし、その過程を見ていただくことも一つの表現かなと開き直っています。
 新聞記事ではこうはいきません。取材過程で考え方は変わるにしても、連載が途中でトーンが変わるということはあり得ないです。皆さんの意見をそのまま載せ、私も実況中継感覚でその時考えたことを書いていくブログならではのやり方だと思っています。
 せっかくインターネットを使うのですから、一方通行じゃつまらないです。大いに議論をして、影響し合いましょうよ。どうか皆さん、受け身ではなく、このブログをご自分で作っていくつもりで投稿をよろしくお願いします。

 ここに投稿するのではなく、直接意見を伝えたいという方、iryou@yomiuri.com に、件名を「高齢者の性」として、メールを下さい。カップルカウンセリングで向き合えるようになった、こうしてセックスによる対立を解決した、性に関する医療を受けこんな効果があったなど、直接の取材に応じてもいいという方も、ぜひこちらにご連絡をお願いします。必ず返信いたします。

加齢による男性ホルモン減少、性欲に影響も


 比較的若い世代の話題が続いたので、今回は、更年期以降の性欲についてです。心のすれ違いがセックスの拒否につながることは何度も書いてきたのですが、男女とも、加齢による男性ホルモンの減少が性欲を失わせることもあります。パートナーのことを愛しているのに、どうしてもその気になれないという場合、そんな可能性を疑ってもいいのかもしれません。

 何回かご投稿いただいているkkさんの文章を読んで、8月の連載で、性欲を取り戻すために、男性ホルモンを補充する方法を紹介したのを思い出しました。このブログの8月の記事として掲載されています。(記事はこちら

 連載でも書きましたが、女性は、エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンだけでなく、男性ホルモンであるテストステロンも分泌しています。このテストステロン、性欲や性的な快感にも大きく関係していて、乳首や外陰部にある受容体に作用して、快感を引き起こします。生きる活力にも関係します。

 女性ホルモンが閉経と共に一気に減ってしまうのに対して、男性ホルモンの方は加齢とともにゆっくり減っていきます。女性の場合、閉経で、男性ホルモンの比率が急激に増すことになります。男性ホルモンの作用に詳しい札幌医大名誉教授の熊本悦明さんによると、閉経後の女性が気が強くなったり、ひげが生えたりするのは、男性ホルモンの影響の方が強くなるからなんだそうです。

 「男の方は男性ホルモンが減るだけだから、気が弱くなってく。定年後の夫婦を見ると、だいたい奥さんが強いでしょ。このごろお母さん強くなったなあ、というのはホルモンのバランスが関係しているんですよ」と熊本先生。周囲を見渡すと、なるほどと思えるカップルもたくさんいるような・・・。ちょっと話がずれました。

 男性の場合、男性ホルモンが極端に減ることによる更年期症状は、記事でも書いたように、うつ状態や性機能障害として現れることが多いそうです。

 記事では、男女それぞれに対する男性ホルモンの補充療法を紹介したのですが、反響のお手紙のほとんどは、「妻に使わせたいので、商品名を教えてくれ。どこで手に入るか」という男性の声でした。

 こうした反響を読んで心配になったのは、実際は、思いやりのない夫に愛想を尽かして妻が拒否しているのに、それに気づこうともしないで、夫が妻に薬を強要することがないだろうかということでした。そんな使われ方をしたら、余計、関係が悪化することが予想されます。

 それに、重要なことですが、記事で紹介したクリーム剤の場合、市販薬とは言え、女性の性欲亢進には適応外です。元々、男性の勃起力、性欲亢進のための薬で、女性の場合は、「恥部無毛症」「乳汁の分泌抑制」だけに効果が保証されています。

 また、女性の場合、声が枯れる、ひげが濃くなる、かぶれる、などの副作用がある人もいます。女性ホルモン補充療法と同様、わずかとはいえ、乳がんなどのリスクも否定しきれていません。使用には、医師の観察と指導が不可欠です。

 そんなリスクも検討したうえで、治療を受けるかどうかは当人が決めることです。その判断には、二人の関係が大きく影響するでしょう。記事に出てきた女性は、夫のことが大好きで、夫も常に妻への愛の言葉を忘れない人でした。だから、女性は、夫の思いに応えてあげたいという一心で、治療を受けたんです。

 相手がある性というテーマでは、治療法にしても、薬効や副作用だけを紹介するのではなく、どんな関係性が大事なのかまで書き込めればと思っています。

 ちなみにクリーム剤の名前は「グローミン」(大東製薬工業、問い合わせ先:info@daito-p.co.jp )です。女性に処方している医師をここで教えてもらえますので、必ず、十分な説明を受けたうえで、医師の指導の下お使い下さい。